ドライバーもメカニックも激務でヘロヘロ……スーパーGTとスーパーフォーミュラの連戦は改善できないのか？

■スーパーGTの海外ラウンド復活は？

　レースカレンダー関連のお話で、もうひとつ。みなさんも気になっているであろう“スーパーGTの海外ラウンド”についてです。

　これまで開催されてきたタイ大会に加えて、2020年にはマレーシア大会がナイトレースになって復活する予定でしたが、コロナ禍の影響で今年も開催が見送られているという状況になっています。

　昨年の秋ごろから、コロナ禍に対する各国の制限も緩和傾向にあり、今年はさらに状況が改善していきそうですが、GTA坂東代表は昨年第7戦オートポリスでの定例会見で「向こう側とやりとりをしている中で、宿泊やロジスティックの部分など様々な条件がだんだん合わなくなってきている。連絡は取り合っていますが、現状では具体的なところまで話は進んでいない」と語っていました。

　どうやらコロナ禍に加えて、ウクライナ情勢や物価高騰など、別の問題も出てきたことで、マシンや機材の輸送（コロナ前は船便）にかかるコストやスケジュールにも影響を及ぼしている模様。そういった点も含めて、今のところは開催の見通しが立っていないようです。

　それでも、タイやマレーシアでの開催を諦めたわけではないので、状況が改善するのを待つしかないというところですね。おそらく、例年の流れだと翌シーズン（2024年）の暫定カレンダーは夏ごろに明らかになると思うので、海外ラウンドの動向も、引き続き追いかけていきたいなと思います。

［ライター・プロフィール］

吉田知弘（よした ともひろ）　石川県出身・1984年生まれ

・日本モータースポーツ記者会 会員

　幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決意。2011年からレース現場での取材を開始し、国内の4輪モータースポーツを中心に、さまざまなカテゴリーを取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。