■Mスポーツ・フォードのタナックからもらった励ましのメッセージ
今シーズンは序盤から苦しんだ勝田選手。初戦のモンテカルロこそ6位だったが、スウェーデンはクラッシュでリタイア、メキシコはコースオフでデイリタイアし復帰したものの23位と連続ノーポイントに終わって、ふさぎ込んでいた時があったという。
そんな時にMスポーツ・フォードのオイット・タナック選手からメッセージが届いたという。
「気にするなよ。何をやってもダメな時はあるものさ。気持ちを切り替えて次のラリーに集中するだけさ」
ライバルチームにありながら、メッセージをくれるなんて、なんともいい話じゃないか! 選手にしかわからないメンタルの浮き沈みがきっとあるのだろう。勝田選手はタナック選手の言葉で切り替えることができたという。
タナック選手は2018~2019年シーズンはトヨタに在籍し、2019年にはチャンピオンを獲得していて勝田選手にとって兄貴のような存在なのかもしれない。
もちろんチームメイトのロバンペラ選手やエバンス選手、オジエ選手も言葉をかけてくれただろうが、タナック選手の自然な励ましが、刺さったということだろう。
年間ランキングは2022年の5位から7位に落とした勝田選手だが、SSごとのトップとのタイム差は確実に縮まっている。
「速さは身についてきていると思うので、いかにミスをなくし、トップに食らいついていくかが課題。苦しかった今シーズンを糧にしたい」と前向きに語ってくれた。
■「来シーズンはスウェーデンとケニアで優勝を目指します」
来シーズンはレギュラードライバー、エバンス選手に次ぐ立場で全戦戦う勝田選手に抱負を聞いてみた。
「チームのナンバー2として全戦しっかりと表彰台争いをし、ポイントを残せるようにするのが一番。幸いカッレ(ロバンペラ)とオジエという強力なサードドライバーがいるので、切磋琢磨していきたいですね。個人的には2月雪のスウェーデンと3月雨季にスライドしたケニア(サファリ)で優勝を狙いたいです」
優勝という大きな目標を教えてくれた勝田選手。新シーズンは1月25日モンテカルロで開幕する。話を聞いていると穏やかながら、必ず飛躍のシーズンにするという決意がにじみ出ていた。
余談だがラリージャパンのフィニッシュ前後から発熱し、体調が悪かったという勝田選手に風邪の治し方を聞いたところ、「風邪薬は飲ないで、栄養ドリンクを飲んで、たくさん着込んで発汗させることで、治しました」とのこと。
今回のクラッシュでチームメカニックが手際よくクルマを修復したことが話題になったが、トップドライバーは体調もメンタルもいかに早く治すことができるかが大事だとわかった。
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