■STMO理事長モリゾウさんが目指す村祭りとしての24時間レース
スーパー耐久レースはもともと参加型のレースということもあって、お客さんのサービスという点はなかなかできてこなかったというが、24時間レースが始まってから、富士スピードウェイの協力もあって、家族や友人たちでテントを張ってBBQをしながら、レースを楽しむという今の形ができてきたという。
STMOの新理事長にモリゾウさんが就任し、「富士の24時間レースは村祭りのようになっていけたらいい」と語るように、エントラントにもファンにも敷居が低く、みんなが盛り上がれるレースを目指していくという。
「レースを1度も見たことがなかった人たちがサーキットに足を運んでいただき、地元の人たちにレースを見ていただくことで、モータースポーツの理解が深まることになると思います」と高谷さんは語る。
プロモーターとして一番うれしいことはなんですか? の問いには「エントラントの笑顔、お客さんの笑顔が見られた時が一番うれしいですね」と教えてくれた。
■村祭りを支える400人を超えるレースオフィシャル
今度は富士スピードウェイ・モータースポーツ部部長の長田誠記さんにどんなご苦労があるのか聞いてみた。
「サーキットとしてはオフィシャルを集めることが大きな仕事になっています」という。オフィシャルとはレースオフィシャルのことで、サーキットに行くと必ず見かけるオレンジ色のつなぎを着た人たちのことだ。
オブザベーションポストと呼ばれるコース脇に設置された小屋からフラッグを振る人や、レース中にクラッシュや故障などトラブルに見舞われた車両を撤去する人などは、観客が目にするレースオフィシャルの代表的な仕事だ。そのほかにもタイムを計測したり車検をおこなったりするのもレースオフィシャルの重要な仕事だ。
彼らがいなければレースは成り立たないが、基本はボランティアで24時間レースとなると富士スピードウェイだけではなく全国のサーキットとモータースポーツクラブから集まり、その数合わせて400人以上となる。富士SUPER TEC24時間レースはレースオフィシャルにとっても特別な大会なのだ。
レースオフィシャルを集めるだけでなく、組織を作ることも必要だ。さらに食事や仮眠部屋などサーキットの受け入れ態勢も重要だ。
「富士SUPER TEC24時間レースが年々盛り上がってきているので、このレースを楽しみにしているという方も多いですし、お互い交流することで学びの場にもなっているようです」と長田さんは教えてくれた。
24時間レースはエントラントに加え、ファンやプロモーター、サーキット、そしてレースオフィシャルによって支えられている。今回の盛り上がりを来年につなげ、世界一笑顔が集まる24時間レースに成長していってほしい。
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