ホンダ対策は既存モデルで充分!?
とはいえフルラインアップ態勢を志向するトヨタにとってはフィットファミリー並みの複数車種を揃えたい希望はあるはずだ。
フィットファミリーはミニバンの「フリード」はじめSUV「ヴェゼル」、ステーションワゴン「シャトル」、4ドアセダン「グレイス」がある。
フリードにはシエンタが存在するので、こうしたコンセプトのモデルは当面必要ないだろう。
シエンタは2018年9月11日のマイナーチェンジで2列シート5人乗り車を設定した。これは「フリード+(プラス)」に対抗させる狙いによるものだろう。
ヴェゼルの対抗モデルはC-HR、ダイハツからのOEM供給「ライズ」が存在する。ヴェゼルにはスポーツ&上級バージョンの1.5Lターボ搭載による「ツーリング」が2019年1月31日に追加された。
また2020年末か2021年初めに実施するヴェゼルのフルモデルチェンジではラフロード色の強い4WD車バージョンを設定するなどして商品ラインアップを強化する見込みだ。
これでヴェゼルの人気にさらなる加速がつけば、トヨタも対抗策としてヤリスの派生バージョンの投入に踏み切るかも知れない。
既存のラインナップにないワゴンとセダン
ステーションワゴンの「シャトル」と4ドアセダン「グレイス」に相当する対抗モデルはトヨタにはまだ存在しない。カローラがフルモデルチェンジし両タイプは3ナンバーサイズに拡大しミディアムクラスに上級シフトした。
旧型のカローラアクシオ&フィールダーは法人向けに継続販売しているが、1年の期限付きだから、そのオープンポイントをヤリスの派生バージョンがカバーする可能性はある。
ただ車種数を増やさない方針であれば「ヤリス」のブランドを冠して同じシリーズモデルとして派生させる方法を採用することが考えられる。
証言1:首都圏ネッツ店営業担当者
新型ヤリスは2020年2月中旬の発売だが、12月上旬には先行予約を開始している。好調な滑り出しで1L、1.5LのNAガソリン、1.5Lハイブリッド車が万遍なく受注できている。多くが従来ヴィッツからの代替えとなっている。
1Lは女性が多いがほかは男性の若い層にも売れている。ヴィッツとはまるで違ったひとクラス上の出来であるから、実際に売れてハンドルを握れば新型ヤリスのよさが広まり、さらに勢いがつくようになるだろう。
かつてのイストやファンカーゴなどの派生モデルの投入は今のところ必要はない。2020年5月から全系列店扱いになるので、ほかの販社との競合が激しくなるので、その事態との対応に準備しなければならず、そのことで頭がいっぱいになるはずだ。
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