新型ヤリス新車販売戦略を掴んだ!! ライバル車にどう対抗するのか? 

ホンダ対策は既存モデルで充分!?

フィットベースの3列シートミニバンのフリードは2019年10月のマイチェンでエクステリアが大幅に変更されてリフレッシュ。SUVタイプのクロスターも追加
フリードに対してはシエンタで応戦。2列シートモデルの追加によりフリード+をもターゲットにして大成功。現在販売絶好調で順風満帆な1台

 とはいえフルラインアップ態勢を志向するトヨタにとってはフィットファミリー並みの複数車種を揃えたい希望はあるはずだ。

 フィットファミリーはミニバンの「フリード」はじめSUV「ヴェゼル」、ステーションワゴン「シャトル」、4ドアセダン「グレイス」がある。

 フリードにはシエンタが存在するので、こうしたコンセプトのモデルは当面必要ないだろう。

 シエンタは2018年9月11日のマイナーチェンジで2列シート5人乗り車を設定した。これは「フリード+(プラス)」に対抗させる狙いによるものだろう。

 ヴェゼルの対抗モデルはC-HR、ダイハツからのOEM供給「ライズ」が存在する。ヴェゼルにはスポーツ&上級バージョンの1.5Lターボ搭載による「ツーリング」が2019年1月31日に追加された。

 また2020年末か2021年初めに実施するヴェゼルのフルモデルチェンジではラフロード色の強い4WD車バージョンを設定するなどして商品ラインアップを強化する見込みだ。

 これでヴェゼルの人気にさらなる加速がつけば、トヨタも対抗策としてヤリスの派生バージョンの投入に踏み切るかも知れない。

フィットベースのSUVであるヴェゼルはホンダでも人気が高く安定した販売をマーク。新型は2020年末から2021年に登場する可能性が高い
SUVで人気の高いヴェゼルに対しては、2019年10月にマイチェンでリフレッシュした写真のC-HRとブランニューコンパクトSUVのライズをぶつける。勝算は充分にあり!!

既存のラインナップにないワゴンとセダン

 ステーションワゴンの「シャトル」と4ドアセダン「グレイス」に相当する対抗モデルはトヨタにはまだ存在しない。カローラがフルモデルチェンジし両タイプは3ナンバーサイズに拡大しミディアムクラスに上級シフトした。

 旧型のカローラアクシオ&フィールダーは法人向けに継続販売しているが、1年の期限付きだから、そのオープンポイントをヤリスの派生バージョンがカバーする可能性はある。

 ただ車種数を増やさない方針であれば「ヤリス」のブランドを冠して同じシリーズモデルとして派生させる方法を採用することが考えられる。

カローラツーリングは3ナンバーサイズとなり、ホンダシャトルよりも上級移行したが、販売絶好調で、シャトルクラスのユーザーも獲得している

証言1:首都圏ネッツ店営業担当者

 新型ヤリスは2020年2月中旬の発売だが、12月上旬には先行予約を開始している。好調な滑り出しで1L、1.5LのNAガソリン、1.5Lハイブリッド車が万遍なく受注できている。多くが従来ヴィッツからの代替えとなっている。

 1Lは女性が多いがほかは男性の若い層にも売れている。ヴィッツとはまるで違ったひとクラス上の出来であるから、実際に売れてハンドルを握れば新型ヤリスのよさが広まり、さらに勢いがつくようになるだろう。

 かつてのイストやファンカーゴなどの派生モデルの投入は今のところ必要はない。2020年5月から全系列店扱いになるので、ほかの販社との競合が激しくなるので、その事態との対応に準備しなければならず、そのことで頭がいっぱいになるはずだ。

トヨタの車種を減らす戦略、ヴィッツが当面は販売好調となるということからも派生車がデビューするのは早くても2021年となりそうと販社でも予想している

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