日本を代表するコンパクトカーのビッグネームであるヴィッツ、フィットがフルモデルチェンジを受け、奇しくも販売は同じ2月から。熾烈なコンパクトカー界のイニシアチブ路握るべくヴィッツは海外車名のヤリスに変更してリフレッシュ。
いっぽう東京モーターショー2019で世界初公開されたフィットは、なんと5つのバリエーション展開を目論んでいる。
ライバルに対しヤリスはどのような派生車を登場させてくるのか?
1999年にデビューした時にはハイトワゴンのファンカーゴ、セダンのプラッツ、SUVルックのクロスオーバーカーのistをラインナップしたが、ヤリスでも同じような展開をするのか気になるところ。
販社に強いパイプを持つ遠藤徹氏がヤリスの派生車戦略を考察する。
文:遠藤徹/写真:TOYOTA、HONDA、ベストカー編集部
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アクアの次期モデルは2021年末に登場
いよいよ新型ヤリスが2020年2月中旬に発売する。前身のヴィッツが「イスト」、「ファンカーゴ」を派生させたように新型ヤリスも近い将来同様の展開が予想される。これはライバルの新型フィット対策でもある。
とりあえず2021年末にも登場するのはハイブリッド専用モデルの次期型アクアである。ヤリスと同じプラットフォームの「TNGA」を採用して改良した1.5Lのハイブリッドユニットを搭載する。
新型フィット同様にSUVテイストの「クロスオーバー」、それに現行アクアにはない4WD車も設定する。
ハイブリッド用の2次バッテリーは従来のニッケル水素から、よりコンパクト&高効率のリチウムイオンユニットを採用することで、同クラス最高の低燃費の実現を目指す。不評だった後席の狭さも改良するはずである。
売れすぎて当面派生車は必要ない!?
さらに先の展開としてイストやファンカーゴの後継モデル的なバリエーション派生があるのか。今のところ肯定も否定もできない状況といえる。それは新型フィットとの戦いぶりがどうなるかによって決まってくるだろう。
トヨタは現在、2025年に向けて大幅な車種削減策を進めている。2017時点の約60から30車種に半減させるというのである。こうした中でヤリスベースの派生モデルの投入はこのようなトヨタの中期戦略に逆行する戦略ともいえる。
ヤリスは2020年2月中旬の発売から4月いっぱいまでの2カ月半はネッツ店の専売だが、翌5月から全国規模で4系列店が統合され、全拠点扱いに拡大される。
それまでは月販1万台規模で推移するが、5月からはセールスパワーの倍増で2万台以上に急増することになりそう。
この時点ではフィットを大きく引き離すだろうし、各店舗は扱い車の倍増でてんやわんや状態になるはずだから、以降落ち着く1年間くらいはヤリスの派生モデル投入の余裕はなくなるに違いない。
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