市販型フェアレディZの価格は450万円からと予想
そうなると当然期待されるのが、市販型のニューZはどうなるのか、ということだ。市販型の一番のセールスポイントは何か。
まず考えられるのが大胆な価格戦略。ターゲットとしてはスープラがあるが、日本国内ではドイツ生産のため、価格的にも高くこの点で新型Zは相当優位に立てるはず。
価格については、2020年9月16日、横浜の日産パビリオンで開催されたメディア向けの新型フェアレディZプロトタイプ見学会で、チーフプロダクトスペシャリストの田村宏志氏が、新型フェアレディZは頑張れば買える価格にしたいと発言している。
また2020年10月11日、東京渋谷区代官山で開催された「モーニングクルーズ」で新型フェアレディZプロトタイプが披露された際には、CPSの田村氏から「ほぼこの形で出ます」という発言があったことから、ホイールサイズや保安部品、モール類など市販型とするための若干の変更はあるだろうが、ほぼこのままのスタイルで出るのは間違いないだろう。
新型フェアレディZは現行モデルと基本的に同じプラットフォームとなり、開発コストは比較的少ないといわれる。
その点からしても有利となり、スープラのベースクレードともいえるSZが499万5000円なのに対し、おそらく50万円ほど安い450万円くらいから設定される可能性がある。
現行モデルでもベースグレードは397万9800円からあるが、実質的にこのグレードをオーダーするユーザーは皆無で、普通はバージョンSの484万8800円あたりからだろう。
現行モデルはNAの3.7L、V6エンジン。新型の3L、V6ターボならもっと高くなることが予想されるが、新型Zに採用されるVR30DDTTはスカイラインなどでも展開されていて、ある程度コストは抑えられる。
現行モデルでいうところのメイングレードとなるバージョンSは500万円程度となるだろうが、この価格帯のライバルのスープラでは、2Lのベースグレードがこの価格。
まだ新型フェアレディZの性能に関しては公表されていないものの、現行スカイラインに搭載されている最大出力304ps/6400rpm、最大トルク40.8kgm/1600〜5200rpmが与えられることになるはず。
一方のスープラSZはB48型2L、直4ターボで、197ps/4500rpm、32.7kgm/1450〜4200rpmだから、パフォーマンス的にも同価格帯では、Zのほうが完勝といえそうだ。
もう少しハイスペックのスープラSZ-Rは258ps/5000rpm、40.8kgm/1550〜4400rpm。こちらは600万円クラス。実際のパワー感はともかく、新型Zと比べると数字上はやや劣る。
新型フェアレディZは、こうした価格戦略でグローバル、特に北米での戦闘力を高め、高価格になりがちな近年の3L級スポーツのイメージを変えることと、過去の日産ブランドの再構築を図る狙いがあると思われる。
世界のライバル車を見ると、このクラスの日本での価格は、ポルシェボクスターが634万円から、BMW Z4が577万円からとなり、Zよりもスタート価格は100万円以上高くなる。
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