NISMOもラインナップされる!
そして予想される新型Zのセールスポイントの2番目が明確なキャラクター付けだろう。日本のスポーツカーの歴史を見ると、残念ながらというべきか、頂点に立つイメージリーダーグレードが少ない。
初代NSXにはタイプRがあったが、エンジンスペック自体はノーマルと変わらなかったし、ホンダS200はタイプRもなくエンジン1種類で通した。
フェアレディZにしても初代は2Lと2.4Lがあったものの、ほぼレース用のS20型のZ432やZ432Rを除き、際立って高性能なグレードがカタログモデルにはなかった。
バブル前の一時期、NAとターボで差別化が図られたスープラやZも確かにあった。しかし、海外のライバルスポーツのように、エンジンも全く別、価格もベースモデルに対し2倍もするような頂点に立つグレード構成がなかった。このあたりに関しては新型フェアレディZではもう少し性能面で個性を出してきそうだ。
長い間いわれてきたことだが、メーカーによるチューニングモデルの積極的展開が日本はうまくなかった。
メルセデスベンツにはAMGがあり、BMWにはMがある。ここ数年、トヨタはGR(Gazoo Racing)として活動しているが、日産もNISMOブランドを、新型フェアレディZでさらに積極的に加速させるのではないかという見方がある。
新型フェアレディZの予想されるエンジンラインナップはスカイライン同様にベーシックグレードが304ps仕様。
その上にスカイライン400Rの405ps/6400rpm、最大トルク48.4kgm/1600〜5200rpも設定されることになる。
こちらはスープラのRZのV6ツインターボ対策となるだろうが、この405ps仕様にNISMOが設定されるはず。
スカイラインのウェイトは1760kg。対するZはほぼ現行モデル並みならバージョンSで1520kg。240kgも軽い。パワーウェイトレシオは3.75kg/psとトップレベルのパフォーマンスとなる。
GT-R NISMOの場合、ベーシックグレードに対して30psのパワーアップながら、軽量化やカーボンパーツの多用により、価格は約2.4倍高い2420万円になる。
405ps仕様のベースグレードからどこまでチューニングされるかは不明ながら、この新型フェアレディZ NISMOが頂点に立ち、Zのスポーツカーとしてもキャラクターをはっきりさせてくる可能性が高い。
日本のマーケットには冷徹だった日産は、海外ではインフィニティブランドでかなり多彩なスポーツモデルを提案してきている。
F1イメージを訴求したQ60(スカイラインクーペ)では、2017年のジュネーブショーで「プロジェクトブラックS」を公開。2020年あたりから北米で市販化が予定されている。
残念ながら、いまだ実現していないが、そのハイブリッドシステムを使ったメカニズムやエンジンパフォーマンスなど、世界のスポーツカーマーケットに通用する進歩的なものがある。
3つのモーターを採用し、ERSと呼ばれるエネルギー回収システムを使ったハイブリッドで、エンジンは3L、V6ターボでトータル出力は571psに達するというものだった。
こうした電動化技術を使ったスポーツカーが世界の主流になりつつある今、新型Zのイメージリーダーとして電動化は必要なのかもしれない。
日本マーケットの再構築を図る日産にとって、新型Zは重要な車種であることは間違いないし、これまで海外だけに使われてきた「プロジェクトブラックS」のようなモデルを日本でも展開する可能性もゼロではない。
もし、そうした用意がないとすれば、今度のZは次のための繋ぎ的存在になりかねない。そうならないためにも、スポーツカーとしてグレード別のキャラクター付けは重要となる。
トランスミッションの6速MTに関しては、相当のこだわりをもっているようだが、GT-Rやスープラには用意されていないだけに魅力的なのは間違いない。もちろん、スカイラインに搭載されている7速ATも用意されるはずだ。
最後にグレードと価格を予想しよう。さて注目の発売時期だが、今のところ、2021年秋の東京モーターショーで公開された後、2021年末までに発表・発売されるのが最も有力だ。
今後、新しい情報を入手次第、順次お届けするので楽しみに待っていてほしい。
■新型フェアレディZ 予想価格
●ベースグレード(304ps)/450万円
●バージョンS (304ps)/500万円
●バージョンT (304ps)/500万円
●バージョンST(405ps)/600万円
●NISMO (405〜450ps)/700万円
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