2020年11月2日に一部改良を発表
この報道が流れる10日ほど前の2020年11月2日、トヨタはクラウンの一部改良モデルを発表している。現行モデルの登場が2018年6月26日だから2年4ヵ月ぶりの改良である。
上下2画面式(8インチと7インチ)であった情報スクリーン「ダブルディスプレイ」は、新たに12.3インチTFTタッチワイドの1画面ディスプレイを採用するTコネクトSDナビとなった。
また早期救命救急をサポートする「ドライバー異常時対応システム」をトヨタとして初採用。
さらにレーダークルーズコントロールの機能向上、カーブ速度抑制機能、プリクラッシュセーフティに右直事故対応機能追加、本革シート仕様の採用車種の拡大などで、商品ラインナップを強化している。
首都圏にあるトヨタ店でメイングレードであるRSアドバンス、2.5Lハイブリッドの2WD(車両本体価格597万9000円)にプレシャスホワイトパール、ETC2.0、フロアマット、サイドバイザー、パノラミックビューモニター、ボディコート、ドライブレコーダーなど約40万円分のオプション&付属品を付けてもらうと、法定&法定外の費用を含めて672万円強と出た。
値引きは初回提示で20万円程度と改良直後のため渋めだ。納期は3ヵ月待ちの2021年2月となっている。
かなり待たされるわけだが、人気が高いわけではない。トヨタは最近、量販戦略モデルについては受注してから生産する「マンスリーオーダーシステム」を取っているために期間がかかるのである。グレード、ボディカラー、オプション&付属品による納期の格差は今のところない。
ちなみに2020年11月19日にはレクサスLSがビッグマイナーチェンジし、12月9日にはMIRAIがフルモデルチェンジする。どちらもクラウンとプラットフォームを共用している。
レクサスLSは現行モデルの登場が2017年10月19日であり、3年経過でのビッグマイナーチェンジとなる。次期型へのバトンタッチは2023年あたりが予想される。
MIRAIは従来モデルがFFで4人乗りだったのをクラウンと同じFRとし、5人乗りに切り替える。グレード数は従来の1タイプから5タイプに増やし、水素充填後の航続距離も約30%延長、650kmに向上させており、積極的な増販策を進める方針である。
次期型クラウンの開発プロジェクトは動いており2023年秋のフルモデルチェンジを予想
トヨタの販売店幹部筋から重要情報を聞くことができた。「次期型クラウンの開発プロジェクトは動いており、2023年秋あたりにフルモデルチェンジするという情報を聞いている」とのこと。ただし、報道にあったセダンを終了させてSUVになるという話は聞いてないという。
さらに「現在の需要動向を見ると確実にマーケットは縮小傾向にあり、今後の動向如何ではその先はモデル廃止に追い込まれる可能性は否定できない」と指摘する。
クラウンの最近における中心ユーザーは大企業の役員、オーナー企業の代表者、高額所得のサラリーマンなどで年齢は50代以上、大半が男性である。
現行モデルでは若返りを図るためにファストバック的でスタイリッシュなエクステリアデザインを採用して仕立てた。
一時は多少若返りに成功し、販売台数を増やしたが、最近になってまた頭打ち傾向に転じている。
ファストバックに仕立てたことで、トランクルームが狭くなり、ゴルフバックが4個乗るスペースが狭くなり、このことがレクサスLS、ベンツSクラス、BMW5シリーズにユーザーが流れるのを余計に促進させたといった見方もある。
特に法人需要では、クラウンからアルファードにとって変わり、もはや「いつかはアルファード」なのである。
一方、SUVの動向を見ていくと、2021年春にはランドクルーザー、2022年にランドクルーザープラドがフルモデルチェンジする。
こうしてみていくと、すでにSUVをフルラインナップするトヨタが、あえてクラウンのSUVを出す可能性はあるだろうか。
クラウンを本気でSUVとするならば、海外市場で展開しているトヨタの高級SUV、ハイランダーと同じプラットフォームを使ってクラウンクロスなどとすることも予想されるが、まだわからない。今後、情報が入り次第お届けしていこう。
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