日本の物流を支える縁の下の力持ち!! カーゴトラックのド定番「ウイングボディ」の秘密に迫る!!【働くクルマの大図鑑】

ウイングボディの基本構造

 大型ウイング車の大まかな構造は、アオリ付平床荷台の前端に「前壁」、反対側の後端に観音ドアを備えた「門構」を設置し、前壁と門構の上部を渡す形でアルミパネル張りの「ウイング」を組み付けたもの。ウイングは油圧で開閉する仕組みである。

 平床荷台はスチール製の前後フレームと左右一対のサイドレールを溶接で組み立てた台枠と、縦横の根太組みから構成される。

 ウイングボディは、オーソドックスなドライウイングが圧倒的多数を占めるが、他にもさまざまなバリエーションが存在。その一部を以下で紹介しよう。

●温度管理ウイング
 ウイングボディに断熱構造と冷凍ユニットを組み合わせることで、優れた荷役効率と定温輸送を両立。ただし、維持できる庫内温度は、使用する断熱材の厚さ、冷凍ユニットの能力によって異なるので万能というわけではなく、荷室内法もドライウイングより減少する。多用されているのは庫内を5度前後に保てるタイプで、青果物の大量輸送で活躍している。

●幌ウイング
 ウイングボディの始祖となった形態。鋼管組みのウイング骨格に幌を張った構造で、ウイング重量が軽く、人力でも容易に開閉できるが、アシストスプリング機構や油圧シリンダーでさらなる省力化を図ったものもある。軽量/シンプルで信頼性が高いことから自動車部品輸送などで中〜大型が活躍している。

●非対称ウイング
 公式の分類ではなく、本稿での便宜的な呼び方である。センタービームを右または左へ寄せて片側のルーフ面を拡大し、ウイング全開時の開口面積を大きく確保したもの。ウイングボディでは不可能とされた重量物のクレーン荷役を実現するアイデアである。

●リフト付きウイング
 荷台の内法高をフルで使うような背高貨物積み降ろしに対応すべく、ウイングを70〜80cm持ち上げられるリフト機構を門構と前壁に組み込んだもの。前壁側にヒンジを置いて、門構のみリフトさせるものもある。

●チップウイング
 ウイング天井部を開口したタイプ。木質チップや穀物、飼料など軽量/粉体の積み荷を荷箱の上方から投入し、かつ内法高をいっぱいに積載する。天井部をシートで覆えば一般貨物にも転用可能

●フレキシブルウイング
 ウイングサイド部を油圧可動式としたタイプで、垂直に立てるとクレーン荷役に対応できる。また、ウイング格納時に、サイド部だけを開けることで、天井の低い場所でも側方荷役が行なえる

●2段フロアウイング
 一般貨物以外でのウイング応用例の1つ。昇降式2層の平床荷台に、リフトウイングと重量物用テールゲートリフタを組み合わせ、2輪車や自動車などの運搬も可能としたもの。

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