■わたしが選んだ「今年の一台」2位 日産・セレナ…4点
今年は、とても目立ったクルマやスポーツカーは登場せず、ユーザーの生活に密接しているようなクルマが多かったと思います。ネットでの反応も「今年は地味なクルマが多い」という意見をよく目にしました。でも、だからこそ、今回はたくさんの人の手に渡るクルマということで、本質的なクルマの性能がとても重要だと感じながら選考をしました。
そんな私たちの生活に近いクルマの中で、特にファミリー層に向けたモデルとして、抜群の性能を持っているのがセレナだと感じました。
新型セレナは、エクステリアやインテリアは、スッキリとシンプルに、そして上質になった印象で、幅広い人たちに受け入れられるデザインになったと思います。
また、新しいe-Powerも静かでコントローラブルになっていて、これなら誰でも運転しやすいだろうと感じました。また、開発者に話を伺うと、同乗者が酔いにくいように、視界や乗り心地なども徹底的に追求したということでした。
クルマ酔いに関して、日産は長年研究を続けており、論文も発表しているそうですが、「酔いにくいクルマです」とはカタログなどには書けないため、実感してもらうしかないのが悩みとのこと。市場からは「子どもが酔いにくくなった」という声も上がっているそうで、そんな話を涙を浮かべながら嬉しそうに話している開発者の方の表情は、今でも忘れられません。
そのほかにも、座席をフルフラットにした時にも、AC電源が使いやすい位置にあったり、自転車を乗せた時にしっかりシートで固定することができるなど、普段使ってみなければ実感できない工夫があらゆる箇所になされています。きっと使えば使うほどユーザーが豊かになっていくクルマだと感じましたし、あまりに生活に溶け込んでしまうので、それが気づかれにくいモデルでもあるのだろうなと感じました。
これだけの努力の結晶が詰まった良いクルマなので、「さらに日の目を見てほしい!」という思いもあって、2位に選びました。
■わたしが選んだ「今年の一台」3位 スバル・クロストレック…2点
今年は、スバル車は秀逸なモデルが多かったと思います。正直「10ベスト」には、クロストレック以外のスバル車、インプレッサもレイバックもランクインして欲しいと本気で思っていました(実際に私は10ベストの選考で3台に票を入れました)。
その中でも、クロストレックは、XVの後継モデルということもあり、スバルのSUVの中でも若い世代におすすめできるモデルだと思います。
クロストレックは、スバルの中ではエントリーモデルのSUVですが、XVから比べてデザインから走りまで全ての質感がひと回りもふた回りもレベルアップしていたことに驚きました。プラットフォームは大きく変えずとも、要所要所のパーツをうまく変更したりチューニングすることで、ハンドルを切ったり、ペダルを踏んだり、運転する操作の全てが心地よくなっていたことが印象的でした。
エントリーモデルは、特に若い人や運転が苦手な人も乗る機会が多いと思います。そのドライブフィールのレベルがここまで引き上げられれば、もっと運転が楽しくなるはずですし、さらにどこかへ出かけてみようと思える気持ちも強くなるのではないかと感じました。
■わたしが選ぶ「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」…アバルト・500e
これまで「フィアット500やアバルト595/695などは丸目!」という印象が強かったのですが、ヘッドライトの上下を切り分け、丸目のモチーフを残しつつ、新しい表情をつけて、それがモダンにまとまっているところが好印象でした。好き嫌いはあるかもしれませんが、「これまでとは違うけれど、アバルトはアバルト」という進化がデザインでも上手く表現できているのではないかと思います。
ところどころに“電気サソリ”のモチーフがあって、そのロゴデザインや配置場所も秀逸。蛍光色が眩しいボディカラーの「アシッドグリーン」もバッチリはまっていると思います。他のボディカラーの名前も、「アンチノイド(異世界から現れた怪物)ホワイト」「ヴェノム(毒/恨み)ブラック」「アドレナリンレッド」「ポイズンブルー」など尖ったものばかり。全体のデザインやコンセプトが振り切った雰囲気をまとっているところが、個人的にはたまらなく好きでした。
コメント
コメントの使い方良い御判断だったのではないかと思います。ただ、コンセプトをさらに追及すれば、たとえばタウンボックスが今でも三菱にあれば、そっちをベースに作ったろう、とは思うんですよね。そのあたり、独自に軽ラインナップを揃えられなくなってきた三菱のしんどさが垣間見えるようです。
550アトレーで楽しませてもらった自分としては、専用縦置きCVTまで作ったダイハツにこそ、こういったチャレンジをしてほしい。