なぜいま生産終了のキューブ? 密かに動く日産の「中古車の魅力再生プロジェクト」とは

■インテリアは昔の高級車、モケットのようだ

―インテリアもレトロ調ですか?

担当者:インパネにはエクステリア同様にグリーンメタリックのアクセントを入れ、シートカバーはベルベット素材にしています。

―このシート1980年代のセドリックやクラウン、ソアラなど高級車のシートに用いられたモケット素材ですか?

ゆったりとくつろげる喫茶店のシートをイメージしたという、ベルベットのシートカバー
ゆったりとくつろげる喫茶店のシートをイメージしたという、ベルベットのシートカバー

担当者:インテリアに関しては、落ち着く空間をコンセプトにしています。実際、大正時代の喫茶店を見に行き、参考にさせていただきました。

 キューブリフレッシュド&レトロコンセプトのプロモーション動画を見ると、「CUBEと、わたし」編ではレトロな教会や路面電車のある明治村でデート。フィルムカメラのオリンパスペン(?)で趣味の写真を撮る二人の映像が流れている。

 「CUBEと、ふたり」編では彼氏の買い物につきあい、レコード店やレトロな喫茶店(クリームソーダが出てくる)でデート。ポラロイド写真で撮った写真を見ながらキューブのなかで「なんだかカフェにいるみたい」と彼女がつぶやく。

 「CUBEと、あたらしい家族」編では、新しい家族を迎えるために買い物に出かけ、ソファに座り「キミはどんな部屋が好きかな」と語りかける。最後に革のトランクを買ってルーフラックに置き、「3人で旅行に行くのが今から楽しみ」とキューブに乗って帰っていくシーンが映し出されている。

 ここまで力を入れてプロモーション動画を作るとは、日産の本気度がうかがえる。コンプリートカーまたはパーツ販売、カスタマイズを含めた販売を考えているのか、気になるところだが、東京オートサロン会場を含め、反響次第では発売の可能性もあるというから、期待したい。

 現在、フィガロやパオ、BE-1、ラシーンは高騰を続けており、こうした日産車専門店も存在するほどの人気となっているが、日産本体が中古車をベースに、日産純正部品を使ってリフレッシュし、カスタマイズする、というのは実に画期的だ。

 こうした中古車を買い取ってモデファイする例は、1980年代後半にいすゞ中古車販売が、イルムシャーならぬアスカベースのカゲムシャー(影武者)のほか、ピアッツァムシャブルイ(武者震)、ジェミニワカムシャー(若武者)などが存在した。

 最後にキューブ続く候補車があるのか聞いてみたが、まだ決まっていないという。いずれにしても、このプログラムをどんどん広げていってほしい。

■キューブリフレッシュド&レトロコンセプト 
ベース車:中古車、2014年7月登録、走行距離6万8900㎞
■日産純正補修品(新品)への交換
●外装はランプ類各種、ワイパー、ドアミラー、スチールホイールほか
●内装はインストルメンタルパネル、ステアリングホイール、シフトレバー、スイッチ&トリム類各種
■カスタマイズ内容
●専用ボディフィルムラッピング(車体上部)。ボディカラーはビターショコラ
●フロントグリル、ルーフラック、デカールの専用エクステリアパーツ
●専用ホイールカバー
●日産純正7インチディスプレイオーディオ
●日産純正シャギーカーペット(ブラウン)
●専用インテリアパーツ
・シート全体カバー(フロント、リア)
・ステアリングホイール
・メータークラスター
・エアコンスイッチ
・フロントエアコンダクトベゼル
・インストトレイ
・サイドドアトリム
・ファッションレザーバンド

【画像ギャラリー】中古車のキューブをリフレッシュしカスタマイズ! 画期的な試みだ!(4枚)画像ギャラリー


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