2020年2月はトヨタ「ヤリス」に続き、ホンダ「フィット」もモデルチェンジを行い国産コンパクトカーは活気づいている。そんな国産コンパクトカーのなかで、2012年9月より販売開始され、約7年半というロングセラーモデルが日産の「ノート」だ。
先代モデルは1.5Lエンジンを搭載していたが、現行型は1.2L直3エンジンへと排気量をダウンサイジング。さらに、上級グレードには直噴化、ミラーサイクル、過給器のスーパーチャージャーを採用したHR12DDR型エンジンを採用するなど高出力、低燃費を追求した。
しかし、ノートはトヨタ「アクア」、ホンダ「フィット」の牙城は崩せず、2016年の年間新車販売台数はコンパクトカーで3位(2016年)に甘んじていた。そのノートが、2017年の新車販売台数はプリウスに次ぐ第2位に躍進。そして2018年にはトップの座を獲得したのである。
モデルライフが長くなっているノートの販売台数が伸びた要因は、2016年11月に追加されたe-POWERの効果にほかならない。e-POWERはリーフで培ったEV技術を利用し、1.2Lガソリンエンジンで発電、その電力を使用してモーターを駆動して走行するシリーズハイブリッドシステムのこと。
燃料はレギュラーガソリンを使用するものの、EVと同じようにモーターを駆動させて走行するので、高い静粛性と鋭い加速性能そして優れた燃費性能により大ヒットにつながったのだ。そこで、今回はe-POWERのヒットによってノーマルのガソリン車がどう動いているのか。また、ヤリスやフィットのフルモデルチェンジの影響はあるのかなどを注目しながら、ノートの中古車事情を紹介する。
文/萩原文博
写真/NISSAN
【画像ギャラリー】2012年に登場したノート。その変化と特別仕様車をチェック!
■安全装備も充実の後期型の流通量多し! 市場動向にも変化あり
ノートは2012年に販売開始されて以降、マイナーチェンジや一部改良など何度も行い商品力に磨きをかけている。今回はe-POWERの登場をキーポイントとするので、便宜上 e-POWER登場前の2012年~2016年10月までを前期型、2016年11月以降を後期型としたい。
今月(2020年2月時点)で、現行型ノートの中古車は約6455台流通しているが、2012年~2016年10月までを前期型が約2300台、そして2016年11月以降の後期型が約4155台と中古車の流通台数は新車の販売台数に比例し、後期型のほうが圧倒的に多くなっている。
現行型ノートの中古車の平均走行距離は、3カ月前の時点が約1.9万kmだったが、今月は約1.7万kmと短縮されている。その距離短縮に連動して、中古車の平均価格は3カ月前が約112万円だったが、今月は118万円まで値上がりしているのだ。
中古車の平均走行距離が短くなり、価格が上昇するということの理由はふたつ考えられる。ひとつは、走行距離の進んだ安い中古車が市場から大量に姿を消したこと。もしくは、走行距離の短い未使用中古車が大量に市場に出回ったことのどちらかだ。
確かに流通台数は約5700台だったので、700台ほど増加している。そこで、さらに中古車の走行距離を調べてみると、2019年式では走行距離500km以下が約300台。1000~3000kmの中古車が約200台。そして3000~5000kmという中古車が約500台も流通しているのだ。
500km以下は未使用中古車で、1000~5000kmというのはレンタカーやディーラーでの試乗車アップのものだろう。最近のユーザーが1年で5000kmも走行して手放すとはとても信じがたいからである。
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