■結論:今、中古車は買い時!
●需要が落ち込み値下がりしている傾向
新型コロナウイルスの影響で販売が停滞している中古車。今、買いなのか? それとも待ちなのか? というと、もちろん“買い”だ。
先ほども述べたが、中古車は需要と供給のバランスで価格が決まる商品だ。3月がなぜ大需要期と呼ばれ、1年で最も販売台数が多いのかというと、新卒や転勤などによってライフスタイルが最も変わるタイミングだからだ。
3月の中古車販売台数を見ると台数は減少しているものの、対前年比96.6%と踏みとどまっている。これはやはり必要な人は中古車を購入したと判断すべきだ。
その後のアフター需要期である4月の販売台数は大きくダウン。例年5月の大型連休明けからは中古車の需要が落ち込むタイミングなうえに、今年は新型コロナウイルスの影響で、さらに需要は落ち込む。
そうなると、販売店は少しでも価格を下げて販売しなければならなくなるはずだ。だからこそ今、中古車は買いのタイミングと言えるのだ。
しかも、例年ならば3月の中古車相場は需要期のため、横這いとなり落ち着いた値動きとなるのだが、今年は3月の需要期でも多くの車種が値落ちを示していた。
さらに4月に入り、アルファード/ヴェルファイアのように未使用車が市場に流入しても中古相場は上がっていない状況。ユーザーにとってはまさにオイシイ状況となっているのだ。そんな値落ちしているオイシイ車種を紹介しよう。

●フィットやヴェルファイアの中古価格は大幅下落!
まずは2020年2月にフルモデルチェンジを行ったホンダフィットの先代モデル。中古車相場が活発に動くフルモデルチェンジを行ったにもかかわらず、需要期である3月の平均価格は約120万円で横這い。流通台数も約3800台をウロウロという状況だった。

しかし、需要期が終わると、流通台数が増加し、現在は約5590台とわずか2カ月で約1800台も増加している。もちろん平均価格も3月末の約120万円から現在は108万円とこの価格帯としては暴落といえる値動きを示した。中古車の平均走行距離が延びている点からも、海外への輸出が止まった影響がリアルに出ているのである。
一方、フィットと同じタイミング、2020年2月にフルモデルチェンジしたヤリス。先代まではヴィッツだが、こちらも世代交代による値落ちが目立つ。3月の時点での流通台数は約2970台で、現在は約3850台と880台増加している。

中古車の平均走行距離は需要期前が約3万kmで、現在が約3.2万km。この変化とリンクするかのように平均価格は需要期直前の約88万円から約84万円と4万円の値落ちを記録。
この価格帯の値落ち幅としてはヴィッツが標準レベルなので、いかにフィットの値落ち幅が大きいかがわかってもらえるだろう。
そして、6月にフルモデルチェンジを行うとアナウンスされたSUVの人気モデルであるトヨタハリアー。すでにニューモデルの内外装も発表されており、話題となっている。

人気のハリアーの中古車でも新型が登場すると発表された影響は中古車市場に現れており、3月上旬の平均価格は約268万円だったが、現在は259万円と9万円の値落ちを記録。
しかし人気の高いモデルだけに、値落ちしたらすぐにユーザーがアクションし、すでに相場は横這いへと変化している。
国内だけでなく、海外でも人気のあるトヨタヴェルファイア。需要期が始まった3月上旬の流通台数は約1790台だったが、需要期が終わり、4月に入ると流通台数は急激に増え始めて、現在でもピークといえる約2190台となっている。
平均価格は需要期中の3月は約370万円でほぼ横這いで推移していたが、需要期の終盤から値落ちが始まって5月の連休明けのタイミングまで値落ちが続き、現在の平均価格は約348万円。
平均走行距離も2.4万kmから2.8万kmと延びているものの、人気車のヴェルファイアがわずか3カ月で20万円という値落ち幅はこれまで記録したことはほとんどない。
これに対して、日本ではあまり人気がなく、海外で人気の高いトヨタプレミオの中古車相場を見てみると、やはり、ロックダウンによって輸出が止まったことにより現在は約280台と3月の約1.5倍の流通台数だ。

平均価格は3月の需要期開始の時点が約95万円で、一時は約86万円まで値落ちしたものの、現在は約91万円まで戻っている。
こうして見ると、現在狙い目の車種はフィットのようにフルモデルチェンジやマイナーチェンジを行っていること。さらにヴェルファイアのような日本国内だけでなく、海外でも人気の高い車種ほど、国内経済の停滞や海外のロックダウンの影響が大きく、現在買い時となっているのだ。
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