4シーターのRX-8はどうか?
一方、RX-8は2003年5月に発売され、2012年6月に生産終了となるまで9年間、現役をつとめた。
こちらも途中で何度か大がかりな改良が加えられているが、実は出てまもない頃に燃焼や冷却面での問題があり、短期間で何度も表に出ない改良が加えられている。
現在、中古車として流通している個体は対策された改良版の内容になっているものが大半と思われるが、低年式の個体の購入を検討する際には念のために確認しておいたほうがいい。
RX-8も時間の経過とともに洗練されていったのはいうまでもないが、いくつか節目がある。
まずAT派には、せっかくRX-8を狙うからには、2006年8月以降の6速AT搭載車を絶対的にお薦めしたい。この際、エンジンも6ポート仕様に変更されている。そもそもせっかくパドルシフトがあっても、4速ではあまり意味がない。
また、2008年3月に大がかりなマイナーチェンジを実施した。この際、数々の専用装備の与えられた新たに設定された「タイプRS」が非常によかったと記憶している。走りを求めるなら指名買いしたほうがよい。
さらに、2009年5月の一部改良で、レインセンサーワイパーやオートライトシステムなどの快適装備が標準となった。
なお、2011年11月に最後の特別仕様車として発売された「スピリットR」は、当初は1000台限定の計画だったところ、あまりに受注が好調だったため、2012年4月にプラス1000台の追加生産が報じられた。
RX-8の中古車の平均価格は約64万~約102万円
RX-8の中古車の流通状況は、同じく某大手検索サイトでは343台と346台とほぼ同じで、平均価格は約64万円と約102万円となっていた。
価格帯は10万円台から約360万円まで。年式相応に安い個体もかなり数多く流通しているのだが、程度のよい個体はけっこう割高感のある相場となっている。
この夏RX-8スピリットRを試乗!
RX-8スピリットRの広報車をマツダはまだ用意してくれており、せっかくの機会なので借り出した。
2012年にもレビューしたまさしくその個体が、まだグッドコンディションを維持して取材対応に活躍しているのだ。
年単位で間が空いたのは確実だが、ロータリーをドライブするのはいつ以来だろうか。
最近ではさすがに筆者もロータリーに乗る機会がめっきり減っているわけだが、かつてFD3Sを愛車にしていたときには毎日のように聞いていた始動音やアイドリング時の音からして、ほかのクルマにはない独特の世界観がある。
![RX-8に搭載された654㏄×2の13Bロータリーエンジンは、前期型の標準モデル(5速MT/4速MT)が215ps/22.6kgm。タイプSが250ps/22.0kgm(6速MT)。後期型のタイプSは235ps/22.0kgmとなった](https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2020/08/21135152/DSC03567-600x338.jpg)
エンジンフィールもいうまでもなく独特。昔と違って最近は自分自身もエコドライブが染みついて、あまり上まで回さなくなったのだが、久々にドライブしたロータリーは、まるでエンジンがもっと回してくれと訴えてくるかのようなフィーリングを伝えてきて、思わずふだんよりも踏んでしまった。
かつては身近にあったので、そのありがたみをあまり意識せずにいたのだが、あらためてロータリーの価値をヒシヒシと感じた次第である。
FD3Sが大好きだった筆者にとって、RX-8のコンセプトはいまひとつすんなり受け入れられず、マツダ社内にも快く思っていない人が少なくなかった話も耳にしたが、当時は子どもがいなかった筆者も、いまでは二児の父となり、RX-8のファミリーカーとしての価値を確かめるべく、家族を乗せて少しドライブしてみた。
リアシートにISO FIX対応のチャイルドシートが装着可能とのことだが、この独特のドアとコクピットを目にして、すでにクルマ好きの片鱗を見せている4歳の長男がとても喜んでいたのも印象的だった。
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