トヨタとスバルのコラボレーションによって2012年に生まれたFRスポーツカーのトヨタ「86」/スバル「BRZ」。すでにBRZは2020年7月末をもって生産終了、そして86は実質的な最終モデルとなる特別仕様車の”BLACK LIMITED”を限定86台で販売し、幕を閉じようとしている。
しかし、新型への胎動は早くも始まっており、2020年10月4日に北米スバルの公式サイトに新型BRZのティザー画像が公開され、今秋に世界初公開、2022年にフルモデルチェンジを行うことがアナウンスされている。
現行モデルの販売終了と新型の登場までタイムラグが生じるようだが、コラボレーションによって生まれたFRスポーツカーはひと世代のみで終わらないことだけは確実となった。
そこで、すでに生産終了しつつある「現行型86/BRZ」の最新の中古車事情をチェックしてみた。中古車相場全体が値上がり基調のなか、スポーツカーである86/BRZの中古車相場はどのように動いているのだろうか。
文/萩原文博
写真/編集部、TOYOTA、SUBARU
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■流通数&MTモデルが豊富! 特別仕様車も選択肢の多い「86」
まずは、トヨタ「86」から。2012年の販売開始から約8年というロングセラーモデルだが、現在中古車の流通台数は約635台と非常に豊富だ。例えば、2015年に登場したマツダ「ロードスター」の現行型は約250台、2008年に登場した日産「フェアレディZ」が約200台からも、86の中古車は圧倒的な流通台数の多さを誇っているのだ。
しかも、2020年8月に約570台まで減少したものの、その後増加し3カ月前とほぼ同じ水準に戻っているのだ。
流通している中古車の平均走行距離は、3カ月前の約4.3万kmから現在は約4.5万kmと伸びているものの、平均価格は約190万円だった3カ月前から現在は約204万円へと値上がりしている。
平均価格の推移をもっと長い1年というスパンで見てみると、1年前の時点では約190万円で、そこから緩やかな値落ちで、2020年6月に最安値となる約183.6万円まで値落ちが進んだ。しかし、その後一転して値上がり傾向となり、約204万円まで値上がりし、現在も進行形という状況だ。
現在、現行型86の中古車の価格帯は、約85万〜約745万円。走行距離が10万kmを超えたAT車であれば、100万円以下でも手に入るようになっている。86の中古車のミッションの比率はMT車51.2%に対して、AT車48.8%と拮抗しているのだ。
86の中古車のグレード構成を見てみると、約336台と半数近くが「2.0GT」。そのうちMT車は52.9%となっている。続いては最上級グレードの「GTリミテッド」が約173台となり、MT車の割合は40.4%とGTと比べると低くなっている。そして「2.0G」が約72台で、MT車は約52.7%で、86でMT車を狙うならば、エントリーグレードの「G」もしくは「GT」が探しやすいということがわかる。
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また、86はさまざまな特別仕様車が発売されているが、そのなかでも究極のモデルと言えるのが、限定100台で販売された「14R-60」で現在約4台中古車は流通しているが、そのうち価格応談が3台となり、唯一プライスが提示されているものも680万円となっている。
また、ニュルブルクリンク24時間レースで培った知見を生かしたコンプリートカーの「GRMN」の中古車は約2台流通していて、価格帯は約518万〜578万円と高値をキープしている。そのほか、さまざまな特別仕様車は流通しているが、台数は数台程度と少なくなっており手に入れにくいのが現状だ。
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