■マツダ 3代目MPV
続いては、ファミリーカーの定番となったミニバンでの隠れた実力車を紹介しよう。それは2006年~2016年に販売されたマツダ MPVだ。この3代目MPVは当時トヨタ エスティマのライバルとして登場した。
低床そして2950mmというロングホイールベースの新設計プラットフォームを採用。サスペンション形式は、フロントにマクファーソンストラット式、リアにマルチリンク式を搭載。ミニバンの常識を超えるハンドリング性能、操縦安定性を実現している。
広い室内空間の2列目シートには、人間工学に基づいて開発された新発想の「スーパーリラックスシート(オプション)」を設定。オットマン、座面角度調整機構、スイング機構付大型ヘッドレストなどにより筋力負担の低減や血液循環を促進し、ファーストクラスの快適性を実現している。
また、3列目シートは、6:4分割で前方にワンアクションで倒れる方式とし、シートアレンジに関係なく収納できる大容量のアンダートランクを新設定。実用性と操作性を大幅に向上させている。
搭載エンジンは最高出力163psを発生する2.3L直列4気筒自然吸気と同245psを発生する2.3L直列4気筒ターボエンジンの2種類。トランスミッションは自然吸気エンジンの2WD車に4速AT、そのほかは6速ATが組み合わされた。
その後マイナーチェンジで4速ATは5速ATへ変更されている。ミニバンでも人馬一体の高い走行性能を誇ったMPV。走行性能だけでなく、豪華な装備や利便性はエスティマに一歩も引けをとっていなかった。
現在、3代目MPVの中古車は約336台流通している。平均価格は約38.6万円で、中古車の価格帯は約7.8万~約169万円となっている。そのうち約95.2%の中古車は100万円以下のプライスが付いている。
3代目MPVの中古車のグレード構成を見てみると、最も多いのが約175台の「2.3S」。この2.3Sは2008年のマイナーチェンジで設定された自然吸気エンジンを搭載した上級グレードで、生産終了まで販売された。
続いては、「2.3Cスポーティパッケージ」の約62台。そして、ターボエンジンを搭載した「2.3T」の約43台。2.3Cの約30台となっている。
最高出力245psのターボエンジンは魅力だが、ターボエンジンはメンテナンスの履歴によってコンディションが大きく分かれるので、自然吸気エンジンを搭載した2.3Sを中心に狙うのが得策だろう。
約23台とかなり台数は少ないが「23S Lパッケージ」ならば、パワーリアゲートなど快適装備が充実しているので、狙い目だ。
■スバル エクシーガ
ここからは、現在人気のボディタイプであるSUVから3モデルピックアップ。
エクシーガはインプレッサをベースとした7人乗りの3列シートモデル。“7シーターパノラマツーリング”というコンセプトで2008年6月に登場。サスペンション形式はフロントがストラット、リアはダブルウィッシュボーンを採用。
さらに、新開発のクロスメンバー、スタビライザーなどにより、優れたステアリング応答性を実現し、高い走行性能を実現した7シーターワゴンだった。
当初は2L水平対向4気筒ターボと2L水平対向自然吸気エンジンを搭載していたが、2009年12月に2.5L水平対向4気筒エンジンを追加。
そして、2012年のマイナーチェンジで2.5Lエンジンを新世代のFB25型に変更。同時にトランスミッションのリニアトロニックと呼ばれるCVTもパーツやレイアウトを最適化して、小型・軽量化されている。
2015年3月まで販売されたエクシーガだったが、2015年4月にエクシーガクロスーバー7と名称を変更して登場。その名のとおり、クロスオーバーSUVテイストを取り入れ、専用サスペンションにより最低地上高を170mmにアップ。
搭載エンジンは2.5Lのみで、運転支援システムのアイサイトver.2を装着し、2018年3月まで販売された。
現在、エクシーガの中古車の流通台数は約380台。平均価格は約46.9万円。中古車の価格帯は約13万~約197.8万円となっている。そのうち100万円以下の中古車は約94.2%を占めている。また全中古車のうち、約22.3%がアイサイト搭載車となっている。
グレード構成は、「2.0iL」系が最も多く約93台。続いてターボエンジンを搭載した「2.0GT」系が約89台。そして「2.0iS」系が約78台、「2.5i」系が75台となっている。
ほとんどのクルマが100万円以下となっており、価格差がないので、新エンジンとなった2.5L+CVTのパワートレインを搭載したクルマを狙うのがベターだ。
一方、エクシーガクロスオーバー7の中古車は約72台流通していて、平均価格は約175.7万円。中古車の価格帯は約86万~約279.9万円とまずまずの水準だ。しかし、直近1カ月で平均価格は10万円ほど下がり割安感が出ている。
グレード構成はカタログモデルの「25i アイサイト」が約43台。特別仕様車の「モダンスタイル」が約19台、そして「エックスブレイク」が約3台となっている。運転支援システムアイサイトver.2を搭載しており、数少ない国産ステーションワゴンライクのクロスオーバーSUVの実力派モデルだ。
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