32スカイラインGT-Rの中古車が2000万円オーバー、R34のGT-Rにいたっては3000万円を超えた。これはもはや宝飾品! いや、貴重な骨董品だろうか? たとえ手に入れたとしても、ふだん乗るにはもったいなさすぎて、ちょっとムリである。
ならば、マニアのココロに密かに刺さりつつ、まだ値上がりしていない国産ネオクラシックカーを手に入れるべきだ!
値段は安いし普段も心おきなく乗れて、「ひょっとしてそのうち値上がりするかも!」と思うことだってできる。まぁたぶん値上がりしないでしょうけど、マニアックであればあるほど、値上がりの可能性がある今日この頃。しれない……と思うだけで楽しいじゃないか!
というわけで、値上がりする可能性はけっして高くないけれどゼロとも言えない、マニアックな国産ネオクラシックカーを紹介させていただきます。今回はレアモデル編!
●ラインナップ
・日産 マーチBOX
・トヨタ 2代目サイノスコンバーチブル
・ホンダ ラグレイト
・ホンダ アヴァンシア
・マツダ CX-7
・【番外コラム】もしかしたら“化ける”!? かもしれないモデルをレコメンド
※本稿は2021年8月のものです
文/清水草一 写真/ベストカー編集部 ほか 構成/フォッケウルフ
初出:『ベストカー』2021年9月26日号
【画像ギャラリー】“ヘンテコ”だから愛着も湧く!? 愛すべきレアモデルたちをギャラリーでチェック!!
■我が道を突き進め! まだ上がらないけど乗ってたらマニアックなレアモデル 4選
オープンなのに平凡なデザインだったり、大きすぎるミニバンだったり、コンパクトカーなのに荷室が広かったりと、マニア垂涎のレアモデルを紹介!
■日産 マーチBOX
・実はワゴン!? これぞハズシ技のなかのハズシ技!
カーマニアは「ハズシ技」を好む。漫才で言えばオチみたいな感じで、ズルッとズッコケられるクルマを慈しむ傾向がある。
マーチは滑っても転んでもマーチだが、マーチBOXは違う! 天然のズッコケマーチなのだ!
ベースはもちろん2代目マーチ。そのオーバーハングを伸ばし、ステーションワゴンに仕立てたクルマである。
れっきとしたメーカー純正モデルでありながら、どこかミツオカ車のような香りがあって、なんとも言えないズッコケ感。同じ日産のキューブキュービックのような3列シートではなく、あくまでステーションワゴンだが、拡張部の取って付けた感は秀逸かつマニアックだ。
現在の中古車流通台数は9台。平均価格は50万円ほど。このクルマが高騰する可能性は限りなくゼロと言っていいだろうが、そのオマヌケ感は永遠だ。
マーチBOXに乗っていれば、それだけで近所で評判の変わり者になれる気がする!
●中古車相場…10万~70万円
■トヨタ 2代目サイノスコンバーチブル
・レア車フリークも恐れおののくオープンモデル
サイノスを覚えているだろうか? ターセル/コルサ/カローラIIをベースにした2ドアクーペで、主にアメリカ女性の通勤用に開発されたのを、日本でも販売したというクルマだった。
登場は1991年。1995年にはフルモデルチェンジして2代目が登場したんだから驚愕! しかも初代と2代目の見分けが猛烈に難しい。難易度高いぜぇ~。
国産ネオクラシックスポーツが暴騰するなか、このサイノスは名前すら忘れられかけているのだから、マニアック度はピカイチだ!
なかでも2代目サイノスに存在したコンバーチブルは、レア中のレア!まったく人気はないけれど、凄まじく珍しい。
これでカーマニアの集まりに出かければ、「このクルマ何?」「サイノスコンバチじゃん!」「すっげ~~~~!」と、周囲は黒山の人だかりになるだろう。つまりオーナーはヒーローになれる! 4MTならさらに激レア。3ATだってヒーローだ!
執筆時点での流通台数は全国で6台。急げ。
●中古車相場…70万~90万円
■ホンダ ラグレイト
ズバリ、北米向け2代目オデッセイがコレだ!
5m超えの全長も、3.5Lの排気量も、あっちではちょうどよかったけど、日本ではデカすぎて「でっかい男のでっかいミニバン」で終わった。
でも、今見てもシンプルかつ雄大なそのフォルムは、古きよきアメリカホンダ感満点。
現流通台数は16台! 価格はすべて100万円以下! コイツに乗ればでっかい男になれるゼ!
●中古車相場…20万~90万円
■ホンダ アヴァンシア
今、目の前をアヴァンシアが通りがかったら、私は走って追いかけるかもしれない。なぜって、アヴァンシアには深い思い入れがあるから!
アヴァンシアはホンダの大失敗作として名高いが、これが登場したのは20世紀末。世のオトーサンたちは、まだ背の高いミニバンに抵抗感を持っていた。
だからアヴァンシアに注目したのだ! 誰も買わなかったけど! 涙が出るじゃないか。
●中古車相場…10万~50万円
■マツダ CX-7
CX-7の発表は2006年。ネオクラシックと呼ぶには若すぎるが、あまりにもレアゆえ、ネオクラシック感が漂う。
基本的には、サッパリ売れなかったマツダのクロスオーバーSUVだが、エンジンは稀代のじゃじゃ馬FF・マツダスピードアクセラと同じ2.3L直噴ターボ(238馬力!)。それだけで、このクルマのマニアックな価値は充分だぜ。
●中古車相場…30万~90万円
【番外コラム】もしかしたら“化ける”!? かもしれないモデルをレコメンド
国産ネオクラシックカーで、大きく値上がりしているのは、スポーツモデルがほとんどだが、数少ない例外が、日産のパイクカー・フィガロだ。海外での人気が日本に飛び火し、300万円超えの個体も存在する。欧米人がどんなクルマに反応するか、我々日本人には予測がつかない面がある。
とにかくフィガロがウケたのだ。ならばトヨタのWiLLシリーズがウケない保証はない! なかでも有力なのは、カボチャの馬車をイメージしたViではなかろうか? WiLLのほかの2台と比べても、奇抜さで群を抜いている。
で、ウケる国は、やっぱりオタクの多いイギリスか? これを買ってYou Tubeで配信すれば、イギリスでWiLL Viブームが起きるかもしれない!
スズキのツインも可能性はなくはない。アメリカでは古い軽トラが小さなブームになっているのだから。
ただ生産から25年以上経ないと輸出できないのでツインの場合、あと最低7年待つ必要がある。今買って大事にしてれば、7年後にはアメリカで「ジャパニーズビーン(豆)カー」ブームが起きている、かも………。
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