■博物館級のこの個体を見ていこう
まずは最高値である「約900万円カテゴリー」について。まぁカテゴリーといってもSunkissed Valleyが販売している1台しかないわけだが、これの価格は「博物館級だから」というひと言で説明できる。
こちらの個体は、現在は社外品に交換されているマフラーを純正に戻しさえすれば、ほぼそのままツインリンクもてぎの「ホンダコレクションホール」に陳列できるような一台であり、機械そのものだけでなく「文化遺産としての価値」も、販売プライスに転嫁されているわけだ。
Sunkissed Valleyの落合代表も889.9万円という車両価格ですぐに売れるとは思っていないとのことで、「長い目で見て、このクルマの価値をおわかりいただける方がもしも現れたら、そのときはお売りしたい」というスタンスであるようだ。
そして実際、問い合わせの数は少ないという。国内からだけでなく海外の業者からの問い合わせも少ないとのことなので、「約900万円の初代インテグラタイプR」というのは「かなりイレギュラーなケース」と見ていいだろう。
資産ウン十億円かウン百億円レベルの超絶お金持ちが、数あるコレクションに加えるための1台――みたいな特殊な存在なのだ。
■500万円前後の初代インテRは?
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その下に位置する「500万円前後」のカテゴリーは、900万円級の初代インテRとある意味似ているフルノーマルの上質物件だが、「博物館に置く個体としてはやや弱い」といったニュアンスのカテゴリーである。
具体的には、走行距離は900万円級のような1万km台ではなく「5万km前後」が中心となり、その分だけ内装のスレなどは、ほんの若干だが目立つようになる。
とはいえ「準博物館級」ではある場合がほとんどなので、「金に物を言わせてでも最高のDC2/DB8が欲しい!」と考える富裕層なら狙ってOKなカテゴリーだろう。
■300万円級はフツーの人にとっての狙い目?
そして富裕層ではない筆者のような人間、要するにフツーの人にとっての狙い目となるのが「300万円台の初代インテグラタイプR」というカテゴリーだ。
もちろんこのカテゴリーとて実際は玉石混交ではあるのだが、良心的な専門店がしっかりとしたメンテナンスを行い、経年劣化が生じている内外装やホイールにも仕上げ(リペア)を施したうえで販売している個体が目立つのが、この価格帯なのだ。
中古車の常として当たりハズレはあるため、販売店選びの段階から慎重になる必要はある。だが焦らずじっくり探せば、内外装も機関も普通に悪くないニュアンスのDC2またはDB8を見つけることができるだろう。
そう考えると、つまり「車両価格300万円台で割といいやつが買える」ということを考えると、初代インテグラ タイプRの中古車相場というのは「さほどの高騰はしていない」と言ってもいいのかもしれない。
いやもちろん昔に比べればバカ高い相場であり、正直もうちょっと安ければいいのにとは思う。だが「良質な骨董品の相場は高い」というのはジャンルを問わず世の必然であり、「R34型GT-Rは今や1300万円スタート!」みたいな世界と比べるなら、まだ買える金額であるだけありがたい話かもしれないのだ。
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