■新車と1年落ち中古車、購入の境界線はココ!
税金関係では、自動車重量税の分だけ中古車がお得になったが、その他の面ではどうか。
車両の保証は、両者ともに大きな差は無い。どちらも基本的には新車保証を利用できる。1年落ち中古車の場合は正規ディーラーでの「保証継承」手続きが必要になるが、必要な費用は1万円程度だ。
購入前からする話ではないが、手放す際の下取り(買取)査定額に差が生まれる。新車で購入し、手放すクルマはワンオーナー車となるが、1年落ち中古車の場合は、ツーオーナー車として売却するためだ。下取り査定額は5万円~10万円ほどの差が生まれることが多い。
さらに、新車と比べて1年落ち中古車は車検の残り期間が短い。1年から1年半ほど新車よりも早く車検満了が訪れるため、購入後の保有期間中に車検を通す回数が1回増えると考えていいだろう。車検+メンテナンスを同時に行うと、費用は税金を含めて約20万円だ。
ここまで出てきた金額を整理して、新車・中古車の差を考えると、中古車は自動車重量税が3万円ほど安く、保証継承に1万円、下取りで5万円ほど損をし、車検が1回多いため20万円の手出しが増える。
よって、-3万円+1万円+5万円+20万円=23万円という計算だ。車両本体金額200万円前後の国産コンパクトカーなら、新車の車両価格(オプション込み)よりも、中古車の車両価格が23万円以上安ければ、1年落ち中古車を選ぶメリットは大きくなる。
なお、この中古車の走行距離が1,000㎞の場合には、分岐ラインは24万円だ。
中古車の場合、年式はもちろんだが、走行距離でも価格や状態は変わる。概算だが、その中古車の走行距離1㎞に対して10円を掛けて、先ほどの23万円に加えて欲しい。例えば1年落ちで1万キロ走行しているクルマであれば、新車との差額33万円が損益分岐点となる。
また、新車の車両本体価格が高くなればなるほど、下取り査定の落ち幅や車検費用は高くなるだろう。そのため、新車価格の11%相当額が損益分岐点の基準となり、そこに検討中古車の走行距離を1㎞あたり10円で加えていくといい。
あまりに走行距離が少なく、登録からの経過月数が短い中古車は、割高で販売されていることが多いため、1年落ち中古車の狙い目としては、走行距離が1000㎞以上、登録後の経過月数12か月以上18カ月未満あたりが良いところだ。
悩みどころの両車であるが、上記の条件に合致し、自分の好みのボディカラーやメーカーオプション装着車であれば「買い」だと思う。希望の色や仕様でない場合は、新車の方向で考える方が無難ではないだろうか。
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