ディーラーの中古車展示場へ行くと、非常に新しい中古車と出会うことがある。新車登録から1年しか経過しておらず、ほとんど新車のようなクルマが中古車として売られているのだ。
最近増えている1年落ち中古車は、新車とどちらを買えばいいか悩むユーザーも多いと思う。今回は、それぞれの特徴を加味しながら、購入の決め手となる損益分岐点を考えていく。中古車か新車かの購入で迷ったらぜひこの記事を目安として参考にしてほしい。
文:佐々木 亘。
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■1年落ち中古車の正体は?
わずか1年で中古車販売されるクルマとは、どういう素性があるのだろうか。一般ユーザーが、1年でクルマを買い替えることもあるとは思うが、それにしては数が多すぎる。
この1年落ち中古車は、販売店で使われていた試乗車や社用車の可能性が高い。1年間で数千キロ程度しか走行していないクルマは、元販売店所有のクルマが多いだろう。
対して登録後1年で1万キロ程度を走行している中古車もある。このような中古車は、販売店が関係するリース会社がリースアップで引き取ったクルマであることが多い。法人用車両かレンタカーが前歴となるだろう。
どちらが良い悪いというわけではないが、単に1年落ち中古車と言っても状態の違いや種類があることを覚えておきたい。
■新車と1年落ち中古車、税金や手数料はどう変わる?
では、新車と1年落ちの中古車は、どちらを買うほうがお得になるのかを考えていこう。
まず、新車と中古車の購入時にかかる諸経費について触れていく。
税金で違いが出るのは、自動車重量税だ。新車であれば25,000円~50,000円程度の範囲で、重量税の負担が必要となる(購入する新車が、国の定める燃費基準を達成しているか否かで、減税または減免などが行われる)。1年落ち中古車の場合は、ほとんどが車検残有の状態で販売されているため、重量税の負担はない(車検切れの中古車に関しては、重量税の負担が発生する)。
自動車税や環境性能割に関しては、新車・中古車を問わず、購入時期や購入車種によって変化し、新車・中古車で生じる差は小さい。自賠責保険も同様だ。その他代行費用も、新車購入と中古車購入での大きな差は無いだろう。
ただし昨今、中古車業者のなかには、適正金額とは言えない手数料を取り、印紙代や保険料を大きく水増ししてくる不届き者がいる。中古車購入の際には手数料と税金が適正かを確認したい。
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