日本車史上を彩った「あの名車」が今作れない事情と理由

■日産フィガロ

フィガロ、1991年発売、新車時価格187万円(3AT仕様)
フィガロ、1991年発売、新車時価格187万円(3AT仕様)

 1989年の東京モーターショーに、パイクカー第3弾として送り込まれたのがフィガロだ。2作目までのハッチバックではなく、1950年代のアメリカンドリームを具現化した2ドアのオープンカーとしている。クロームメッキを多用したフロントマスクやホワイトで統一したインパネやステアリングなどが目を引いた。そして1991年2月に正式発売に移している。2万台だけの限定発売だった。エンジンはマーチに積まれている1Lの直列4気筒SOHCだが、ターボを装着している。

 フィガロは「東京ヌーベルバーグ」をデザインテーマにしたパイクカーだ。多くの人はデザインにはこだわっているが、メカニズムにそれほどのこだわりはない。だからデザインはそのままに、メカニズムだけ最新のものに積み替えれば復活できるだろう。パワーユニットは環境にやさしいe-POWERがいいだろう。手動で開け閉めするルーフは、最新の電動開閉式として許されるはず。プラットフォームも、マーチや、それが古くて使いものにならないのであればルノーのものを流用できるはずだ。

 マーチもキューブもモデルサイクルが長くなっている。販売の起爆剤として充分機能するだろう。

ツイン、2003年発売、新車時価格49万円(ガソリンA)、84万円(ガソリンB)、139万円(ハイブリッドB)

■スズキツイン

ツイン、2003年発売、新車時価格49万円(ガソリンA)、84万円(ガソリンB)、139万円(ハイブリッドB)
ツイン、2003年発売、新車時価格49万円(ガソリンA)、84万円(ガソリンB)、139万円(ハイブリッドB)

 今でこそ、都市部で機動性の高いコミューターは人気となっているが、20世紀のスモールカーは「広さ」こそが第一だった。全長や全幅に制約がある軽自動車は、だからルーフを高くして室内空間を確保するモデルが頻出。のちにタントやパレットといった「軽スーパーハイトワゴン」というカテゴリーを生み出すことになる。

 この軽自動車像に挑戦したのがスズキのツインだ。

 そのネーミングから分かるように、屋根のついたスクーターを狙ったシティコミューターで、二人乗りである。パワートレインは二種類だ。ワゴンRなどに積まれている660ccのK6A型直列3気筒DOHCとモーターを追加したハイブリッド車が用意されていた。

 2003年にデビューしたが、当時は広さが持てはやされる時代だったので不発に終わった。今ならハイブリッド車に加え、モーター走行のEVが人気となっているので、前作より売りやすいはずだ。かわいらしいデザインで、軽やかな走りを実現するのもたやすいはず。かなり魅力的なシティコミューターに仕上げられるはずである。

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