「新車」とは、ひと味違う魅力を持つのが中古車。予算が決まっている場合、中古車を選択肢にいれるだけで、選べる車の幅は大いに広がる!
なかでも今から10年ほどまえの中古車たちは、現行モデルにはない魅力を持っている車種が少なくない。
10年前の国産中古車をオススメする本企画、前回の「スポーツ、SUV&ミニバン編」に続いて、今回はコンパクトカーとセダンにジャンルを絞って紹介したい。
コンパクトは100万円未満でも走りが楽しめる選択肢があり、またセダンは定番モデルが、最新型にはないサイズ・価格で選べることが特筆すべきポイント。いずれも新車とはひと味違う魅力を持っている!
文:大音安弘
写真:編集部、SUZUKI、NISSAN、MAZDA、TOYOTA、HONDA
ベストカー 2019年8月10日号
【コンパクト編】走りが楽しめる50万円台も!
エコカーの人気が高まった2000年代は、コンパクトカーの在り方が見直された。ダウンサイズ需要が生まれ、価格だけでなく、走りや質感など、より高いレベルの総合力が求められるようになった。それゆえに、今でも現役の車両が多いのだ。
そんなコンパクトカーのなかで、特にオススメなのが、スズキ スイフト。世界戦略車の第2世代となる先代スイフトは、さらに総合性能が磨かれた。
標準車なら激安だが、スイフトスポーツも50万円台からとお値打ちだ。4WDも選べるスポーティグレード「RS」があるが、標準車との違いは、エアロと足回り程度。ここは素直にスイフトスポーツを狙ったほうが幸せになれそうだ。
個人的に隠れた名車として紹介したいのが、マツダ ベリーサ。派手さはないが、シックな内外装は飽きがこない。2代目デミオベースなので、実用性も抜群だ。
お次は、グレード限定のオススメとなる。3代目日産 マーチの「12SR」と「マイクラC+C」だ。オーテック・ジャパンが手がけた「12SR」は、内外装や足回りはもちろんのこと、エンジンまで手を加えた本格派。まさに羊の皮をかぶった狼である。
一方のマイクラC+Cも、電動グラスルーフを装備した本格オープンだ。マイクラでは、ルーフの作動や雨漏りなどのチェックは怠らずに……。どちらもいいタマに巡り合えれば、低予算で自動車趣味を満喫できる。
手堅いのは、やはりトヨタ ヴィッツ。意外なことにスポーティグレード「RS」の流通は少なくない。MTも選べるので、入門スポーツとして選ぶのもアリだ。
【セダン編】定番のアッパーモデルも安価に買える!
続いてはセダン。約10年前からニーズは、氷河期へと突入。よりプレミアムな存在となったため、総じて完成度は高い。
イチ押しは4代目スバル レガシィB4。当時の開発陣が、エントリーモデルから満足してもらえるように作り込んだというだけあって、どのグレードもオススメで状態のいい中古車もまだまだ流通する。サイズもちょうどよい。
レガシィの場合、つい高性能なターボモデルに目が奪われるが、トータルバランスでいえば、2Lの自然吸気エンジン車のほうが上。もちろん、価格も手頃だ。また、水平対向6気筒エンジン車もターボより割安で狙い目だ。
スポーツセダンといえば、やはりスカイライン。ただ、R34より後のモデルの評価は低め。これはV35がコンセプトカー「XVL」ベースとなったことでスカイラインの人気低迷を生んだため。
その挽回を狙ったのが、先代の「V36」だ。好き嫌いははっきり分かれるが、スポーツセダンとしては悪くない。走りもスカイラインらしさが蘇った。V6エンジンのフィーリングもいい。価格は、排気量を問わず、どれも手頃だ。
最近まで現行型であった日本車の最高峰レクサス LSの初代も、なんと100万円以下で入手可能に。アグレッシブなデザインの最新レクサスにはない高級車らしい風格たっぷりのデザインも魅力。セルシオ譲りの信頼性は、中古車ライフでの強い味方となる。ぜひチェックしたい。
走りのいいセダンで忘れてならないのが、7代目のホンダ アコード。最後の「ユーロR」は、今も高値安定。ただ標準車もなかなかのもの。欧州セダンのようなしっかりとした走りが楽しめるのだ。ユーロRを除けば、ワゴンを含めて、どれも安価だ。
最後は、13代目トヨタ クラウン。人気の「ゼロクラ」と「リボーンクラウン」に挟まれた地味な存在だが、作り込みのよさなどはクラウンの王道をいく。
人気は「アスリート」だが、クラウンの伝統を色濃く映した「ロイヤルサルーン」を選ぶほうが、よりクラウンの世界観を満喫できるはずだ。
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