86とBRZでは流通量にかなり差がある
まず、86の中古車相場を見てみよう。さすが販売力の強いトヨタが、AREA 86というディーラーを立ち上げただけあって、86の中古車の流通台数は約850台と非常に多くなっている。
1カ月前の8月は約900台まで増加していたが、この3カ月の間はほぼ現在の約840台をキープしている。中古車の平均走行距離は3カ月前が約3.7万kmで今月は約4万kmと延びているものの、平均価格は3カ月前の185万円から現在もまったくの横這いで推移しているのだ。
いっぽうのBRZはというと、中古車の流通台数は86の約3割にあたる約270台。3カ月前が約300台だったので、減少傾向となっている。中古車の平均走行距離は3カ月前が約4.1万kmで現在は4.4万kmと86よりもやや走行距離は多くなっている。
そして気になる平均価格の推移だが、3カ月前は約172万円で今月は165万円と値落ち傾向を示している。走行距離が若干長いとはいえ、平均価格で約20万円差は同じ性能の86/BRZにおいて大きな差だ。
確かに86とBRZは基本的なグレード構成はほぼ同じだが、86はGR、BRZはSTIが手掛けたスペシャルモデルがあり、そうしたモデルが中古車相場に影響を与えている可能性も拭いきれない。そこで各モデルのグレード構成を見てみる。
限定車の相場への影響が顕著な86
まずは86から。約850台ある86の中古車の中で最も多いグレードが、約57%を占めている2.0GT。続いて多いのが約23.3%の2.0GTリミテッド。そして2.0Gとカタログモデルが続く。
スペシャルモデルの14-60RやGRMNは各1~2台ずつしかなく中古車相場への影響はほとんどないように感じる。しかし86の中古車の価格帯を見ると約89万~約745万円で高価格帯には先ほど紹介した14-60RやGRMNが並んでおり、中古車の平均価格を引き上げる要因のひとつになっている。
加えて中古車の走行距離分布を見てみると5万~7万kmが約147台と最も多く、続いて2万~3万kmが約126台。そして4万~5万km、3万~4万kmが約118台で並んでおり、それなりに距離の延びているクルマが多いことがわかる。
限定車の相場への影響が少ないBRZ
いっぽうのBRZは約270台流通している中古車の中で最も多いグレードはデビュー当初から設定されている上級グレードの2.0Sで約64%。次いで2.0の19.6%。そして3番目が限定車の2.0tSとなっている。
実は86よりBRZのほうが多くの限定車が流通しているという興味深い結果となった。そして中古車の価格帯は約88万~約343万円で86のように500万円を超える高額車は存在していない。
そして中古車の走行距離分布を見てみると、最も多いのが約66 台の5万~7万kmで、次いで約44台の4万~5万kmそして約42台の2~3万kmと86とほとんど変わらない。こう考えてみると86の一部高額の中古車を除けば、86とBRZの中古車相場はそれほど差がないと言える。
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