イギリス車の盛衰 クーペ回顧 タルガトップ、ランチアへの憧れ【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】

イギリス車の盛衰 クーペ回顧 タルガトップ、ランチアへの憧れ【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】

 2014年11月に逝去した自動車評論家、徳大寺 有恒。ベストカーが今あるのも氏の活躍があってこそだが、ここでは2013年の本誌企画「俺と疾れ!!」をご紹介する。(本稿は『ベストカー』2013年11月26日号に掲載したものを再編集したものです/著作権上の観点から質問いただいた方の文面は非掲載とし、それに合わせて適宜修正しています)。

■万年筆にこだわる

ジョウエット・ジュピター…1950〜1954年に製造されたドロップヘッドクーペ。エンジンは水平対向OHV1.5Lで最高出力は60psだった。ジョウエット社は自転車作りからはじめ、戦前にはジョウエット8やジョウエット10といったクルマを作り好評を博していた
ジョウエット・ジュピター…1950〜1954年に製造されたドロップヘッドクーペ。エンジンは水平対向OHV1.5Lで最高出力は60psだった。ジョウエット社は自転車作りからはじめ、戦前にはジョウエット8やジョウエット10といったクルマを作り好評を博していた

 私の愛用の万年筆はモンブランである。もちろんこのモンブランに満足はしているが、ドイツらしいということでもある。ハードはいいのだが、モンブランを使うインクのボトルがよくない。いろいろ考えているのだが、使いにくいのだ。

 しかし、モンブランのインクを気に入っているので当分は使っていこうと思っている。

 考えてみれば、万年筆という道具じたい万能ではないが……。だいたい万年筆というやつはインクのタンクにかぎりがある。このタンクが小さいと、これからと気分が乗ってきた時にインク切れとなり腹が立つ。しかし、鉛筆やボールペンが好きじゃない、となると万年筆以外に書く道具がなくなる。ボールペンはコピーできるが、これで長い文章を書くのは辛い。

 私はモンブランとペリカンM400、それに日本のものを1本持っている。本当は『NAMIKI』がいいと思うが、クラシックで高価であるから実用には向かない。

 やはりモンブランかペリカンM400がいいと思う。私は万年筆を持ち歩かないが、まれにサイン会などに持って行く時は2〜3本、落とさぬように気をつけている。私のようなものにとって手になじみ、気に入った万年筆は何ものにも代えがたいのだ。

 モンブランを持って、もうすぐ彦根に行く。日本メルセデス・ベンツクラブのイベントが開かれるのだ。彦根は琵琶湖のほとりにあり、この街は鮒寿司が有名だ。もちろん、鮒寿司を食べようと思っているが、このクセのある鮨が苦手という人も多い。鮒寿司はなれずしで発酵食品だからクセがあるが、たまに食べるなら悪くない。古い友人を伴ってこの珍味に舌鼓を打とうと思う。

 話は変わる。先日見た古い映画に英国車のジョウエット・ジャベリンが出ていた。1947年から生産されたファミリーカーだが、ジョウエットが作った2シーターのロードスターに有名なジュピターがある。

 レイモンド・チャンドラーの名作、『ロング・グッドバイ』にも出てくるこのドロップヘッドクーペはとにかくセクシーなクルマだった。

 この時代、イギリス人は外貨(ドル)を求めて盛んにアメリカに輸出をしようとした。

 ジャグァの当時のボス、ウイリアム・ライオンズは多くのドルを輸出で得たことによりアメリカから表彰されていたくらいだ。当時はジャグァをはじめ、ロールス・ロイス、ディムラー、ランチェスターなどイギリス勢はまだまだ元気だった。

 その後のイギリス勢の転がり落ちる様は前回ここでお話ししたとおりだ。ジャグァがかろうじて残ったが、インドのタタグループにあり、あとはベントレー、ロールス・ロイスなどしかない。ベントレーはVW、ロールス・ロイスはBMWの1ブランドだ。

 “腐っても鯛”という言葉があるが、イギリスブランドはどこかが助け、生き残っているから面白い。

 現在、元気なのはドイツ車と日本車だが、一寸先は闇の言葉通り、イギリス車のようにならないとはいえない。とにかくこのめまぐるしく変わる時代に生き残るには、自ら変革し、時代をリードしていくよりない。

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