寒くなるとマラソン大会のシーズンでだ。各所で週末になると開催されるが、三重県で唯一のフルマラソン大会である「みえ松阪マラソン2024」が昨年12月15日に開催された。毎回話題にあがる選手団のバス一斉輸送について取材したのでレポートする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■ランナーを一斉輸送しなければならない!
冬晴れの下、風の吹き付けるコンディションだったが、フルマラソンの部(42.195km)には過去最高となる8225人が松阪市内を駆け抜けた。またファンラン(5km)、健康ウォーク(7km)の3部門合計では全国から1万903人がエントリーした。大会は3回目となり、少しずつ参加者は増えているが、今回は遂にエントリーで1万人を超えた。
これらランナーをいかにして安全かつ確実にスタート地点まで輸送するかが問題だ。前回のアンケートではフィニッシュ地点からの帰りのシャトルバスについて、バスの待ち時間が長かったという意見があったことから、バスの便数を増やして対応するということだった。これらの諸問題がどう改善がされたのかをバスマガジンの視点から「みえ松阪マラソン2024」の様子をお届けする。
「みえ松阪マラソン2024」は松阪市にあるクラギ文化ホール前をスタートし、市内の各観光名所などを結びながら松阪市総合運動公園までの42.195kmを走るコースとなっている。最寄り駅である松阪駅からスタート地点の鈴の森公園までは約2kmなので徒歩約20分だ。今回は参加者の大幅増ということで、駅からスタート会場へのルートマップも公開されルート上の施設・名所などを掲載して徒歩移動の協力が呼びかけられた。
■三重交通グループ外からも大量のバスが!
シャトルバス乗り場がある松阪駅北口へ向かうと、既にロータリーを含め多くのバスが待機している光景が広がる。公式サイトによると、6:30~8:00頃まで約10分間隔で運行され、松阪市総合運動公園へ向かうファンランの部の参加者用シャトルバスは8:10~9:00頃まで運行ということだった。
駅に列車が到着すると、人の流れが誘導され続々とバスの乗り場へ移動していった。この時間帯は概ね順調に参加者を案内できていた。また今回は運行されたバスにも変化が見られた。前回は三重交通や三重急行、三交伊勢志摩交通、名阪近鉄バスという三重交通グループで固められていた。
今回はそれに加えて八風バス、三岐観光バス、伊勢国際観光、エスパール交通、滝原西村ハイヤーと実に多彩なラインナップだった。
そして参加者の誘導については、名鉄観光サービスが担当する総力戦で輸送を行っていた。ちなみに前回の松阪マラソンでは、松阪駅から降車地のクラギ文化ホールまで延べ50便、1808人を送り届け、臨時駐車場などからを含めると合計3地点から実に延べ74便、2527人が利用したということだった。
便数を増やして随時出発する利点はスタート地点到着後に荷物を預けたりウォーミングアップなどの準備をしたりと、時間を有効に使えることだ。