日本でも海外でも完売御礼! 海の向こうでも「バカ売れ」のヒットカー

日本でも海外でも完売御礼! 海の向こうでも「バカ売れ」のヒットカー

 日本車が海外でも多くのユーザーを獲得しているのは周知の事実。そして、そのなかでも特に人気の高い車種がある。そこで今回は、日本国外でもヒットした“稼ぎ頭”たちを見ていくことにしよう。

文/長谷川 敦、写真/スズキ、トヨタ、日産、マツダ、三菱自動車

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日本ならではのモデルが海外でも通用

●スズキ・ジムニー

日本でも海外でも完売御礼! 海の向こうでも「バカ売れ」のヒットカー
初代モデルの登場から50年以上にわたって愛されるスズキ ジムニーシリーズ。写真は軽自動車規格の現行JB64型で、2018年に販売が開始された

 軽自動車でありながら本格的なクロスカントリーモデルという特異な立ち位置で、人気モデルとなったのがスズキのジムニー。

 しかし、日本の道路事情に適応したサイズの軽自動車は、海外ではそこまでポピュラーなカテゴリーとはいえない。

 だが、このジムニーだけは別で、海外、特にクロスカントリーモデルの需要がある国では高い評価を得て売り上げ実績も残している。

 もちろんジムニーには軽自動車規格ではなく、普通車サイズのジムニーシエラや日本国内ではジムニーノマドの名称で販売される5ドアモデルラインナップされていて、これらもまた日本国外での評価が高い。

 特に現行型のジムニーシリーズは優れた走行性能やバリエーションの豊富さもあって世界中で支持されている。

 オフロードでの走破性と使い勝手に優れたジムニーシリーズは、実用車として、そして趣味のクルマとしても親しまれていて、それは世界共通の認識だ。

●トヨタ プリウス

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トヨタ プリウス。世界初の量産型ハイブリッドカーがプリウスであり、2023年に登場した写真の現行型5代目モデルもハイブリッドの代表車種として君臨している

 現代でこそ内燃エンジンと電動モーターを組み合わせたハイブリッド車はメジャーな存在になっているが、当然ながらそれには礎になったモデルがある。

 トヨタが1997年に発売したプリウスがそのモデルであり、世界初の量産型ハイブリッド車だった。

 技術的なパイオニアにあたるクルマには、細かい問題を解決しきれないまま発売に移されたモデルもあるが、プリウスの強みはきわめて完成度の高い状態で市販されたことだ。

 初代プリウスはこの時代では驚異的な28km/L(10・15モード)の燃費性能を誇り、燃料代の節約と環境負荷の軽減に大きく貢献した。

 さらにその進化はとどまることを知らず、現行の5代目モデルでは、最高で32.6km/Lの燃費性能を叩き出す。

 化石燃料資源に乏しい日本だからこそ誕生したといえるハイブリッド車のプリウスだが、結果的にこれが世界でも受け入れられ、海外の著名人が高級車ではなくあえてプリウスに乗ることで自身の環境意識の高さをアピールするケースもある。

 さすがにプリウス以外にもハイブリッド車が増えた現状では以前のような一強状態というわけにはいかないが、それでプリウスの功績が失われるわけではない。

日本製SUVが世界を走る!

●三菱自動車 アウトランダー

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2021年に販売がスタートした現行型の三菱自動車 アウトランダー。三菱自動車の意匠であるフロントのダイナミックシールドはこのモデルでさらに進化した

 2024年10月にビッグマイナーチェンジが行われたのが三菱自動車のアウトランダー。

 ビッグマイナーチェンジされたのはバッテリーの外部充電が可能なPHEV(プラグインハイブリッド)モデルであり、バッテリーのリニューアルによって電動モーターでの航続距離が延ばされている。

 このアウトランダーPHEVはマイナーチェンジ前から欧州での人気も高く、これは環境にやさしいPHEVというのも理由のひとつ。

 欧州では強力なEV(電気自動車)推進政策を進めていたが、EVにもさまざまな難点はあって一時期の勢いはなくなり、その代わりにハイブリッド車に注目が集まっている。

 欧州の高級SUVにもひけをとらない上質な仕上がりがアウトランダーPHEVの武器であり、中国をはじめとするアジア諸国でも高い支持を受けている。

 三菱自動車はもともと国内よりも海外での販売に力を入れていて、実際に売上高の約9割が海外での販売によるものだという。

 それもまた、アウトランダーの海外人気を押し上げていると考えられる。

●日産 エクストレイル

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日産 エクストレイル。現在の日本国内ではハイブリッドのe-POWERのみを販売

 日産が販売しているSUVのエクストレイル。北米では「ローグ」の名称で販売されるこのモデルは、日本国内はもとより海外で高い人気を獲得している。

 エクストレイルに対してローグという海外名が採用されたのは2013年登場の3代目で、特にこの3代目は北米でヒットモデルになり、4代目へのモデルチェンジも、日本より北米が先行するほど重要なマーケットになった。

 なお、ローグという海外名を最初に使用したのは日産 デュアリスであり、ベース車両がエクストレイルになったのは2代目ローグからとなる。

 ミドルサイズSUVであるエクストレイルの魅力は、高いオフロード走行性能を持ちながら日常使用での利便性も考慮されていること。

 こうした特徴は日本よりも海外で支持され、3代目エクストレイル(ローグ)はアメリカで最も売れた日産車になった。

 アメリカでは2020年に、日本国内では2022年にモデルチェンジされたエクストレイル(ローグ)だが、日本ではパワーユニットがハイブリッド(e-POWER)のみになっている。

 対する海外では内燃エンジンモデルが残されているのが興味深い。

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