1980年代の日本で爆発的に流行したボーイズレーサーの元祖、マツダ ファミリア。そのファミリアが影響を受けたのがフォルクスワーゲン ゴルフ。その最新モデル「Golf R」をチャレンジャー武井氏がクローズドコースで全開試乗する!!
※本稿は2025年10月のものです
文:チャレンジャー武井/写真:雨田芳明
車両協力:フォルクスワーゲン グループ ジャパン
撮影協力:袖ヶ浦フォレストレースウェイ
初出:『ベストカー』2025年11月26日号
ホットハッチの原点を踏み抜く
ゴルフの走りに特化したモデル「R」。最近はメディアでも多く取り上げられ、その評判はすこぶるよい。そこでクローズドコースでの運動性能を試すべく、袖ケ浦フォレストレースウェイに持ち込んだ。
ホットハッチの元祖として日本車に多大な影響を与えたゴルフは、日本でもワンメイクレースが開催されていた。その名も「フォルクスワーゲン・ゴルフ・ポカールカップ」。
私が参戦していた泥臭いフレッシュマンレースとは違い、とてもお洒落で芸能人も多く参加し、大きなレースのサポートレースとして併催されて話題を集めていた。
そんな華やかな舞台を横目に、貧乏くさい私は指をくわえて「いつか出たい」と思っていた。そんな経緯もあって、私にとってゴルフはモータースポーツのイメージが強い。
想像を超える瞬発力と旋回性
アクセルを踏み込むと、低速域の俊敏性に驚かされた。ターボラグを軽減するため、ラリーカーにも採用されるアンチラグシステムが効果的に働いている。
サーキットでもこの機能は有効で、低速コーナーの立ち上がりではアクセルを開けた瞬間から加速状態に入る。瞬発力は抜群だが、中間域から最高出力が発生する回転域では程よいパワー感でとても扱いやすい。
目からうろこのブレーキ性能
ブレーキキャリパーは2ポッド。いまや4ポッドや6ポッドが主流のなか、あえて2つのピストンを採用している。
これは、ピストン数が増えると押す力が分散しやすくなり、さらに高温になるデメリットがある。ピストン数をふたつにすることで熱の上昇を抑える効果があるというわけだ。
最近のクルマでも踏力の強いプロドライバーがサーキットを攻めて、走行後にピットへ戻るとブレーキパッドから煙が上がるほど高温になることも多い。だが実際に走行してみると、ゴルフRは熱ダレすることなく安定した制動力を発揮し、周回を重ねることができた。
曲がるための最新システム
感心したのは「Rパフォーマンストルクベクタリングシステム」だ。これは走行中に前後の駆動配分を自動制御するシステムである。
一般的に4WDはFF的な動きをすることが多く、コーナーの立ち上がりでアンダーステア傾向になる。しかしゴルフRは、コーナーでアクセルを踏み込むと、トラクションをしっかり確保して安定した旋回をみせる。車両側が旋回中の挙動を判断し、駆動配分を瞬時に最適化する。
サーキットでは、コーナーの侵入からAペックスまで車速を落とさないようにして、クリップから先でアクセルを踏み込むのがセオリーだが、ゴルフRではAペックスからアクセルと踏み込むほうが断然速いし挙動も安定する。
クローズドコースでこそ本来のポテンシャルを発揮するスポーツハッチであることを確信したインプレッションとなった。
●フォルクスワーゲン ゴルフ R Advance 主要諸元表
・全長×全幅×全高:4295×1790×1460mm
・ホイールベース:2620mm
・車両重量:1520kg
・エンジン形式:水冷直列4気筒DOHC インタークーラーターボ
・総排気量:1984cc
・最高出力:333ps/5600~6500rpm
・最大トルク:42.8kgm/2100~3600rpm
・ミッション:7速AT
・駆動方式:4WD
・タイヤサイズ:前後235/35R19
・0-100km/h加速:4.6秒(BlackEdition)
・最高速度:270km/h(BlackEdition)






















コメント
コメントの使い方今やホットハッチであっても高い性能求められる訳で、値段をスルーすればRは間違いなく正解だと思います。
昔を引き摺っても仕方ない。昔みたいにスポーツカーを食えるハッチにするにはR的な性能は必要。
安さ求めるなら、日本のデミオやヤリスのMTを買ったら、初代ゴルフGTIやミニやチンク以上のタイムを叩き出せるのですから、現行スポーツカーと競らずに運転楽しめばいいのです。