日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表している2020年3月の販売台数で、マツダ「CX-30」(5647台)がトヨタ「C-HR」(5172台)を抜き、18位に入った。ここまで僅差でC-HRを追っていたが、3月ついに逆転した。
小型SUV「CX-3」とミドルSUV「CX-5」の中間に位置する全高を抑えたトレンドのクロスオーバーSUVのCX-30は、マツダが大本命と位置付けたモデルだ。
CX-30は現在マツダで一番売れているクルマとなったが、ここまで受けた理由とは何なのか? 新たに追加した「SKYACTIV-X(スカイアクティブX)」は受け入れられているのか? その実態を流通ジャーナリストの遠藤徹氏がレポートする。
文/遠藤徹
写真/編集部
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■一巡したC-HRをとらえたCX-30の悩みの種は「スカイアクティブX」
2020年3月の登録乗用車通称名別ランキングを見ると、マツダ「CX-30」が18位(5647台)で、21位のトヨタ「C-HR」(5172台)を初めて抜き、マツダのトップセラーモデルに浮上したことが判明した。
CX-30は2019年9月20日に発売したミディアムクラスの新型クロスオーバーSUVで、新開発の圧縮着火方式による「スカイアクティブX」を搭載しているのが売りのひとつ。発売後半年経過して初めてC-HRを抜いたのだが、半年もかかったのには理由がある。
スカイアクティブX搭載車を発売したのは、2020年1月10日だった。発表と同時にスカイアクティブXの受注は受け付けていたので、発売までに同モデルのバックオーダー(受注残)を多数抱えており、これらが発売以降に一挙に登録されたので、C-HRを抜くことができたといえる。
一方、C-HRは2019年10月18日にマイナーチェンジし、カスタマイズバージョンの「GRスポーツ」を追加するなど商品ラインアップを強化したが、今のところあまり売れ行きはあまりよくない状況が続いている。同モデルの2020年1~3月における月販平均登録台数は4209台で前年同期に比べて36.8%もの大幅なマイナスとなっている。つまりマイナーチェンジと追加モデルの設定が効果を上げていないのである。
これはどういうことなのか。「C-HRは現行モデルの登場が2016年12月14日で3年以上が経過した古いモデルで、需要は一巡期にある。同じトヨタ全系列店にはコンパクトクラスで2019年11月5日に発売したヒットモデルのライズがあるので、こちらの人気の高さに押されて影が薄くなっているという事情もある」(首都圏トヨタ店営業担当者)とコメントする。
これに対してCX-30はどのような売れ方をしているのか。「確かにCX-30はオリジナルのマツダ登録車としては今現在で最も人気が高く売れ行きがいい。しかしながら、パワーユニット別の販売構成比は1.8Lディーゼルターボと2Lガソリンが45%ずつ、残りの10%がスカイアクティブXで、売りのはずのスカイアクティブXが予想外に苦戦を強いられている」(首都圏マツダ店営業担当者)と打ち明ける。
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