フォルクスワーゲンが誇る、欧州Cセグメントのハッチバック「ゴルフ」。日本では、まだ7代目が販売されているが、欧州地域では、すでに8代目へとモデルチェンジをしている。
1974年に初代が発売されて以降、半世紀近くにわたって、グローバルで愛されているクルマだ。
特に、自動車ジャーナリストや評論家、自動車メディアなどによる評価が、昔から非常に高いクルマで、世界中の自動車メーカーもベンチマークとして見ており、常にそのクルマの作りは注目されている。
なぜ、ゴルフはジャーナリストに好まれるのか。その答えは、シンプルな見た目からはかけ離れた奥深い性能と、通好みのセッティングにある。
文:吉川賢一、写真:VW、池之平昌信、ベストカー編集部
なぜジャーナリストはゴルフを引き合いに出すことが多いのか?
ゴルフは、とにかく、内外装ともに「真面目過ぎてつまらない」といわれるほど、真面目で質実剛健なクルマだ。外装のデザインも実にシンプルで、はっきり言えば地味。
しかし、荷物をたくさん載せ、毎日数百キロも高速移動をするような使い方をしても、ドライバーに疲れを感じさせない。
タイヤ、サスペンション、シート、ボディ剛性、空力、パワートレイン、そして運転支援技術など、ドライビングに関するすべてが、高い水準で考え抜かれているクルマだ。
ドアを閉じたときの「ガシン」という音からも、クルマへの信頼感が感じられる。内装に関しても、素材の手触りまでしっかりと作り込みがなされており、質感の高いインテリアを実現している。
また、流行りのメーターディスプレイを他社に先駆けて採用するなど、先進性にも優れている。
そしてなにより、ゴルフは、動性能が優れている。高速安定性、コーナリング、乗り心地、ロードノイズ、パワートレイン振動、動力性能、ブレーキング、小回り、燃費、全てにおいて、バランスが良くとれたクルマだ。
うねりのある道でも、ボディが揺れはするがおさまりは良く、進路も乱されずに、何事もなかったかのように走り抜ける。
音振性能にも優れており、ロードノイズが非常に静かで、ワンランク以上、上の車格のクルマにも並ぶほどだ。ゴルフが一家に一台あれば、日常生活でクルマを使うシーンで、たいていは満足できる。
このように、筆者も含めた自動車ジャーナリストや評論家たちの間では、VWゴルフを高評価としていることが多いのだが、実は、ひとつひとつの性能を取りあげれば、国産車のハッチバックでも優れているところは多くある。
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