トヨタの新型ハリアー、RAV4 PHV、日産 キックス、ダイハツ タフトと一挙に4モデルがデビュー! 異例のSUV新車ラッシュ月間で各社の狙いは?
2020年6月は異例のSUV新車ラッシュ月間となっている。8日にRAV4 PHVが発売されたのを皮切りに、10日にはダイハツ初の軽SUV、タフトが発売。さらに、新型ハリアーが17日に、キックスが24日に発売予定となっている。
コロナ禍の影響があるとはいえ、1ヵ月に4モデルが一挙に発売され、しかも同一のジャンルであることは異例だ。そのことからもSUV人気の高さを伺えるが、各社がこのタイミングでそれぞれのモデルを投入した狙いとは?
文:渡辺陽一郎、写真:トヨタ、日産、ダイハツ、スズキ、日産、池之平昌信
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新型ハリアー「全店併売に合わせてRAV4と差別化」
2019年から2020年に掛けて、各メーカーはSUVを活発に発売している。特に注目されるのがトヨタだ。2019年にRAV4とライズ、2020年にはハリアーを加え、秋にはヤリスクロスも投入する。
前輪駆動ベースのSUVをコンパクトで価格の安い順に並べると、ライズ/ヤリスクロス/C-HR/RAV4/ハリアーとなり、綿密なSUVラインナップを構築する。
各車種間の価格差は15~30万円だから、用途、好み、予算に応じて選びやすい。かつてのスターレット/カローラII&ターセル&コルサ/カローラ&スプリンター…、とそろえた時代を思い出させる。
しかも以前はRAV4のユーザーがハリアーに乗り替えるには販売店を変える必要があったが、2020年5月からは全国のトヨタの販売店が全車を扱っている。販売店を変えずにすべてのトヨタ車を選べるから、人気の高いSUVは売れ行きをさらに伸ばす(逆に不人気車は一層落ち込む)。
ハリアーはもともとフルモデルチェンジの時期を迎えていたが、全店/全車併売とタイミングを合わせた。
この戦略はいかにもトヨタらしい。以前はSUVの車種増加に慎重だったが、他社の販売動向から好調に売れると判断すれば、車種を一気に増やしてSUVの需要を根こそぎ奪う。
以前の前輪駆動に移行したり、ミニバンを充実させる時と同じく、大きな販売網を生かした囲い込みを行った。
そしてハリアーは、前輪駆動ベースのシティ派SUVでは(オフロードSUVのランドクルーザー&プラドを除く)最上級車種になる。トヨタのSUVではイメージリーダー的な存在で、人気の高かった従来型から乗り替えるユーザーも多い。
そこで新型は、ハリアーらしさを一層際立たせた。エンジンやGA-Kプラットフォームは基本的にRAV4と共通で、合理化を図りながら、個性を際立たせる高効率な車両開発を行っている。SUVの特徴を巧みに利用した戦略だ。
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