ホンダ的高級車「アキュラ」の今 幻の日本導入宣言から15年!!

ホンダ的高級車「アキュラ」の今 幻の日本導入宣言から15年!!

 世界で活躍する日本の高級車ブランドの筆頭といえば「レクサス」だが、日本初の高級車ブランドの先駆者は、ホンダの「Acura(アキュラ)」だ。

 アキュラは1986年に誕生。ホンダは一時、日本国内への導入も明言していたが、その後、方針は撤回され、国内展開は幻と消えた。

 そんな日本ではあまり知られていないが、世界最大の自動車市場に挑み続ける、日本の個性派高級車「アキュラ」の今に迫った。

文:大音安弘/写真:Acura

【画像ギャラリー】国内展開はもう望めないのか!? ホンダの北米向け高級ブランド「アキュラ」を写真で見る!!


■アキュラは国産高級車ブランドのパイオニア

当初はホンダ車の名称そのままに「アキュラ・レジェンド」などとしていたが、差別化を図るべく英文字表記に変更している。日本ではレジェンドだが、アキュラではRLXだ

 「アキュラ」は、1986年より米国より展開されたホンダの高級車専用ブランドだ。

 1989年の「レクサス」、「インフィニティ」よりも、いち早く高級車市場に参入できたのは、1982年に、日本の自動車メーカーとしては初となる現地工場をオハイオ州に設立。アコードの生産を開始し、1985年には現地研究所も設立するなど、米国での基盤を早くから構築したことが挙げられる。

 ブランド名のAcuraは、「Accuracy」から生まれた造語。「正確さ・的確さ」の意味を含むあたりは、「ハイテク・ジャパン!」と称えられた当時の日本車のトータル性能を示すものなのだろう。

 それを裏付けるように、「A」の文字をモチーフとしたエンブレムには、測定器の「ノギス」がモチーフ。またホンダの「H」マークを逆にしたデザインでもあり、二つのブランドの関連性を示すものでもあるのだ。

 当初は、ホンダ車の名称そのままに「アキュラ・レジェンド」や「アキュラ・インテグラ」としていたが、差別化を図るべく、レクサスなどと同様のRLX(日本名:レジェンド)などの英文字表記に変更している。

■北米に特化した高級車ブランドに成長

アキュラの現行ラインナップはセダンとSUVが中心だが、国内のホンダでもお馴染みのスーパースポーツ「NSX」は、アキュラでもブランドフラッグシップモデルとして君臨している

 現在のアキュラの展開市場は、アメリカ、カナダ、メキシコ、クウェートと限定的だ。

 2019年の販売実績は、やはりアメリカがダントツで、15万7385台。カナダの1万9781台、中国の1万5008台、メキシコ1809台と続く。クウェートの市場規模は小さく2桁台とのこと。つまり主戦場は、開発拠点もある北米なのだ。

 そのため、アキュラのモデルは、アメリカナイズされている点が多い。内外装はもちろんだが、性能面でも専用のアップグレードが施されているのも特徴なのだ。

 最新のアキュラのラインナップについても紹介したい。現在は、セダンとSUVが中心で、ブランドフラッグシップモデルとしてスーパースポーツ「NSX」が君臨する形だ。

■まもなく「タイプS」復活! アキュラの現行ラインナップは?

コンパクト高級セダン「ILX」。現行型は先代の米国シビックをベースとしながらよりラグジュリーな仕立てとなっていて、ミレニアル世代にも人気が高いという

 アキュラのラインナップは、セダンとSUVに特化したもの。意外にもクーペやオープンカー、ステーションワゴンなども存在しない。最も個性的な存在が、ブランドのアイコンとなるスーパースポーツ「NSX」だ。

 復活を果たした2代目となる最新型は、米国の専用工場でハンドメイドされ、ホンダ仕様も含め、全世界へと供給。まさに米国のアキュラファンの誇りだ。

 主力のひとつであるセダンは、大中小が揃っている。まずブランドエントリーとなるコンパクトセダン「ILX」は、急成長を遂げる米国のコンパクト高級セダンであるため、ミレニアル世代にも人気が高いという。現行型は、先代の米国シビックをベースとするが、よりラグジュリーな仕立てとなっている。

ミッドサイズセダン「TLX」はアキュラセダンの中核的モデル。2020年秋に新型となる予定で、全車ターボエンジンを採用し、よりポテンシャルを高めたスポーツセダンとなる模様だ

 アキュラセダンの中核的モデルがミッドサイズセダン「TLX」だ。同クラスのホンダ・アコードが6ライトスタイルの4ドアクーペに転身したのに対して、こちらは純粋なスポーツセダンスタイルを貫く。これも走りの良さにこだわるためだろう。

 実は、2020年秋に新型となる予定で、全車ターボエンジンを採用し、よりポテンシャルを高めたスポーツセダンとなる模様。

 スタイルもすでに公開済みだが、やはり純粋なセダンスタイルを受け継いでおり、来週には高性能モデル「タイプS」の復活を予告するなど、アキュラ開発陣の気合たっぷりのモデルだ。

 セダンのフラッグシップが、日本ではレジェンドの名で親しまれる「RLX」だ。レジェンド同様の3モーターハイブリッド+SH-AWDの高性能ハイブリッド仕様に加え、同じ3.5L・V6SOHCエンジンを搭載するFF車も用意されるのが特徴。

 実は、レジェンドとRLXはすべて日本製。このため、現行ラインナップで唯一のメイドインジャパンのアキュラとなる。

次ページは : ■屋台骨はSUV アキュラ最量販車は「RDX」

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