名門クラウンの役割と展望 セダンは現行型で最後の証言入手!!

名門クラウンの役割と展望 セダンは現行型で最後の証言入手!!

 トヨタの名門「クラウン」がセダンではなくなる!? 報道に真相と今後の展望は?

 2020年11月中旬、クラウンセダンの販売は現行型で終了して、SUVに似たクルマとして改めて投入する記事が新聞に掲載された(編注:11月11日付 中日新聞電子版など)。

 セダン需要とクラウンの販売低迷を受けて、クラウンセダンは終了させ、人気の高いSUVに刷新するわけだ。記事によるとクラウンをSUVに切り替えるのは2022年だという。この報道は本当なのか?

文:渡辺陽一郎、写真:トヨタ

【画像ギャラリー】11月に一部改良発表したクラウンと名門歴代車を一挙にみる


トヨタの回答とクラウンが意外に人気な訳

 まずはトヨタに問い合わせた。

 返答は「トヨタの発信した情報ではありません。将来の商品計画については返答できません」という。これは常識的な反応だ。どこのメーカーでも、将来の商品計画について詳しく語ることはない。

 次は首都圏の販売店に出向く。クラウンがSUVに切り替わる可能性について尋ねると、以下のように返答された。

「メーカーから、クラウンがSUVに発展する話は聞いておりません。しかもクラウンは先ごろ(2020年11月2日)に改良を受けて、売れ行きが伸びています」

「そのために、2020年11月中旬に注文をいただいたとして、納期の長いハイブリッドの場合、納車されるのは2021年3月末です。2Lターボでも2月なので、納期は正月休みを含めると3か月から4か月と長いです」

2020年11月2日に一部改良した現行型クラウン。本革シートの採用、インテリアの質感の向上などを搭載した
2020年11月2日に一部改良した現行型クラウン。本革シートの採用、インテリアの質感の向上などを搭載した

 なぜそこまで人気なのか。

「クラウンは現行型になって、アルファードに乗り替えるお客様が増えました。販売も下がりましたが、マイナーチェンジ後は、メルセデスベンツやBMWからの乗り替えも目立つようになりました」

「新型クラウンが登場した後、様子を見ていた欧州車のお客様が、最近になって乗り替え始めたようです。トヨタはすでにSUVを数多く用意しているので、クラウンにはセダンで頑張って欲しいです」

販売店の証言「クラウンのセダンは現行型で最後」

 次はトヨタの製造工場に近い販売店に同じ質問をしてみた。

「クラウンのセダンは、現行型で最後になります。その後はSUVに変更されます。理由はセダンの売れ行きが下がったからです」

2020年6月にフルモデルチェンジした上級SUV トヨタハリアーのようになるのか
2020年6月にフルモデルチェンジした上級SUV トヨタハリアーのようになるのか

「次期クラウンの概要は、ハリアーの上級版と考えれば良いでしょう。クラウンという高級車の位置付けは変えず、カテゴリーを現在のセダンからSUVに変更するわけです」

「ただし、その時期は新聞報道では2022年とされていましたが、もう少し遅れる可能性が高いです。現行クラウンの発売は2018年で、セダンの最終型は少なくとも6年は製造するでしょう。そうなるとクラウンがセダンからSUVに変更されるのは2024年以降です」

 セダンの現行クラウンと、新しいSUV版を一時的に併売することも考えられる。

次ページは : クラウンをSUVに変える理由とは?

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