人気=実力とは限らない!? 人気車に優るライバル車の強みと実力

人気=実力とは限らない!? 人気車に優るライバル車の強みと実力

 人気車には売れるだけの理由がある。しかし、すべての面でライバル車に勝っているということは少なく、実は「内容はライバル車が大きく上回っている」というケースもある。

 本稿では知っておきたいジャンルベストセラー車に対するライバル車の武器を紹介。人気が高いモデルは多くのユーザーが購入を検討するだけに、ぜひこうした点も踏まえて購入の参考にしてほしい。

文/永田恵一
写真/TOYOTA、SUZUKI、NISSAN、HONDA
撮影/平野学

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【人気車】トヨタルーミー/【競合】スズキ ソリオ

 ダイハツ主導で開発されたプチバンとして2016年に登場したルーミーは、ボディサイズの小ささやスライドドアの採用といった使い勝手の良さを理由に人気車となったソリオのフォロワー(後追い)である。

2020年9月に行われたマイナーチェンジにて、タンクが廃止され、ルーミーに一本化された(ルーミー/2020年11月販売台数:9112台)
2020年9月に行われたマイナーチェンジにて、タンクが廃止され、ルーミーに一本化された(ルーミー/2020年11月販売台数:9112台)

 トヨタでは、最近行われたマイナーチェンジで今年4月から始まった原則全ディーラー全車種販売への対応もあり、兄弟車のタンクを廃止し、ルーミーに統合されている。

 ルーミーはエンジンが全グレード1Lのため、全グレード1.2Lとなる最近フルモデルチェンジされた新型ソリオに対し、自動車税が安いという強みはある。

 しかし、それ以外は先代ソリオと比べても高速道路や山道でフラフラ感を覚える走行安定性の悪さ、ガタガタとした乗り心地、自動ブレーキ性能の低さなど、アドバンテージはほとんどなかった。

5年ぶりにフルモデルチェンジしたスズキソリオ。フルハイブリッドを廃止し、マイルドハイブリッドエンジンとNAガソリンが搭載(ソリオ/2020年11月販売台数:2935台)
5年ぶりにフルモデルチェンジしたスズキソリオ。フルハイブリッドを廃止し、マイルドハイブリッドエンジンとNAガソリンが搭載(ソリオ/2020年11月販売台数:2935台)

 その状況下で最近ソリオはフルモデルチェンジされただけに、ルーミーとの差は全体的にさらに広がっている。

 それでもルーミーの方がソリオより売れている理由はトヨタの販売力の強さに尽きるのだが、ルーミーを検討している人に対しては「とりあえずソリオも見ておくべき」と強くアドバイスしておく。

【人気車】トヨタ シエンタ/【競合】ホンダ フリード

シエンタは、登場してから6年目ながら、堅調に売れているコンパクトミニバンである(シエンタ/2020年11月販売台数:7187台)
シエンタは、登場してから6年目ながら、堅調に売れているコンパクトミニバンである(シエンタ/2020年11月販売台数:7187台)

 コンパクトミニバンのシエンタは、「時代にマッチしたミニバン」ということもあり、登場から6年目となりながらも堅調に売れており、今年の販売台数はライバルとなるフリード優勢だが、2019年はシエンタの圧勝だった。

 ハイブリッドのフィーリングがだいぶ良くなったにせよクセのあるフリードに対し、シエンタは自然なフィーリングというアドバンテージを持つ。

 しかし、フリードの1.5Lガソリンは、シエンタに対しパワフルでフィーリングが良好。フリード+のラゲッジスペースの発展性もシエンタファンベースに対し大きい。

2019年にマイナーチェンジしたフリードにはシエンタにはあまりない運転支援システム、ホンダセンシングが装備されている(フリード/2020年11月販売台数:6864台)
2019年にマイナーチェンジしたフリードにはシエンタにはあまりない運転支援システム、ホンダセンシングが装備されている(フリード/2020年11月販売台数:6864台)

 さらに、それなりの自動ブレーキは付くものの、運転支援システムがほとんどないシエンタに対し、フリードは自動ブレーキはもちろん、あまり完成度は高くないものの30㎞/h以上で作動する先行車追従型の「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」や「レーンキープアシストシステム」などから構成される「ホンダセンシング」を装備する。

 総合すると2016年登場の5年目という登場時期の新しさもあり、シエンタよりフリード優位な部分が多いことは覚えておいてほしい。

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