マニュアルトランスミッションはもはや絶滅危惧種と言われて久しい。実際に日本車の新車販売のほとんどがATまたはCVTの2ペダルモデルとなっている。
ハイブリッド、コンパクトカーを中心にCVTが主流となり、ATについては多段化が進んでいる。
かつてATはMTよりも燃費が悪いと言うのが常識だったが、それも今は昔。日本の自動変速機は昔から世界をリードしていたが、現在は独自性が盛り込まれていてその進化は目覚ましいものがある。
日本にはいろいろなタイプの2ペダルカーがあるなか、いったいどれが運転して楽しく、出来がすばらしいのか?
文/永田恵一、写真/HONDA、SUBARU、TOYOTA、SUZUKI、LEXUS、NISSAN、MITSUBISHI
【画像ギャラリー】日本の2ペダルカーの雄の終焉が迫る!! 現行WRX S4の受注終了のXデーは2021年1月24日
軽自動車のCVT
三菱タウンボックス、マツダスクラムワゴン、スズキエブリイワゴン、ダイハツアトレーワゴンといった商用バンベースの乗用ワゴン以外でATを搭載するのは現行モデルではスズキジムニーだけ。
このことからもわかるとおり、今や軽自動車はCVT真っ盛りだ。
結論から言えば、どのメーカーのCVTも大きく進化してそのポテンシャルに大差はない。かつてのCVTの滑るようなフィーリングもなく、ドライバビリティに優れている。
強いて優劣をつけるとすれば、S660を除くホンダの軽自動車に搭載されているCVTがいい。ホンダの軽自動車用NA、ターボエンジンとも下からトルクが出ていることもあり、CVTとのマッチングが非常にいい。
なぜS660は除外か? それは、スポーツタイプゆえでもあるが、CVTのフィーリングがかったるい感じで、エンジンとのマッチングがイマイチな点が残念。
登録車のCVT
新車で購入できるのがあとわずかとなった(2021年1月24日受注終了予定)スバルWRX S4のスポーツリニアトロニックは、ダイレクトでエンジンも余裕があって魅力的だ。
変速ショックのない滑らかな加速が特徴であるいっぽう、MTをドライブしているような感覚になる8速クロスレシオのステップ変速制御によるダイレクト感あふれるシフトフィール、加速感は最高。
もともとエンジンスペックに余裕はあるが、2Lターボ以上の排気量を持つクルマのように感じるのも、CVTとのマッチングがいいからだろう。
もう1種類CVTを選ぶとすれば、トヨタのダイレクトシフトCVTだろう。日本ではレクサスUX、RAV4、ヤリス(1.5L)、ハリアーの順に採用されてきた。
ダイレクトシフトCVTはカンタンに言えば、発進用の1速ギアを備えたCVTで、スタートギアの効果は抜群で、ダッシュがいい。また、変速幅が広いのがメリットとなっている。
低速からトルクを発生するダイナミックフォースエンジンとのマッチングもいい。
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