先日、中部経済新聞が「トヨタがセンチュリー級の超高級SUVの市場投入を計画していることがわかった」と報じたのが記憶に新しい。
また2020年には兵庫県知事がリアシートに乗る公用車がレクサスLS600hLからトヨタのセンチュリーに買い換えられたことが波紋を呼び、各都道府県で公用車にセンチュリーを採用していることが大きなニュースとなった。
そこで、現行センチュリーではないが、先代センチュリーの中古を狙おうと思ったら実際いくらで買えるのか?
そこで、先代センチュリーを中古で購入した、モータージャーナリストの永田恵一氏が自身の体験も交えながら解説する。
文/永田恵一
写真/トヨタ
まずは先代センチュリーを知る!
中古車検索サイトを熱心に見ている人の中には「先代型となる2代目センチュリーって、新車価格が最低約1000万円したことを考えると、コンディションはともかくとして50万円以下のものもあって安い!」と感じる人は少なくないかもしれない。
しかし、実際に激安先代中古センチュリーを買ったという人はほとんどいないのもあり、中古センチュリーの情報というのは非常に少ない。
当記事ではそんな激安先代中古センチュリーを自分のものにし、1年半5000kmほど乗った経験のある筆者が先代センチュリーの中古車はいかなるものなのか、解説していきたい。
まずは先代センチュリーの概要から。
2代目モデルとなる先代センチュリーは、トヨタグループの創業者である豊田佐吉氏の生誕100年となる1967年に誕生した初代センチュリー以来、30年振りとなる1997年にフルモデルチェンジされ登場。
2代目センチュリーも初代モデル同様に日本車の頂点となるショーファードリブンカー(主にプロの運転手さんが運転し、オーナーとなる要人はリアシートに乗るクルマ)として開発された。
2代目センチュリーは2代目セルシオをベースに開発され、技術的な最大の特徴は日本車ではおそらく最初で最後となると思われる5L、V12エンジンを搭載したことである。
2代目センチュリーのV12エンジンは当時の2.5L、直6エンジンを2つつないだものという成り立ちで、止まることが許されないというショーファードリブンカーということもあり、トラブルの際には片バンクの6気筒だけでも走れる機能や燃料ポンプを二系統持つなど、航空機のようなエマージェンシー性能を備える。
また2代目センチュリーも歴代センチュリーと同様に生産ラインではなく、トヨタ車としては異例な手押し車に載せられ手作業で組み立てられ、塗装に代表されるクオリティは日本一である。なおセンチュリーが手作業で組み立てられるのは「技術の伝承のため」という理由も大きい。
1グレードだった2代目センチュリーのバリエーションはフロアシフトかコラムシフト、ドアミラーかフェンダーミラー、モケットシートか革シートというのが主なところだ。
ボディカラーはブラック、ダークブルー、ダークグリーン(初期モデルのみ)、グレー、ライトブルー、シルバーがあり、それぞれにブラックであれば神威といった和名があるという点も実にセンチュリーらしい。
2代目センチュリーは2003年のCNG(圧縮天然ガス)仕様の追加、2005年のATの4速から6速化に代表される細かな改良を受けながら、2017年1月まで生産され、2018年6月に現行型3代目モデルにバトンタッチされた。
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