ここ数年パンク時の対応装備として、パンク修理キットを使う新車が激増し、スペアタイヤを積んでいるクルマはめっきり減った。
一例としてトヨタのヤリス(旧車名:ヴィッツ)を挙げると、2005年登場の2代目ヴィッツは、全グレードスペアタイヤが標準装備だった。
それが2010年登場の3代目ヴィッツでは主要グレードがパンク修理キットに、2019年登場のヤリスは全グレードでパンク修理キットが標準(全グレードでスペアタイヤもオプションで選べる)といった具合に明確にスタンダードが移り変わっている。
こうした背景もあり、本稿ではパンク修理キットの装備状況や装備するクルマが急増した理由などを考えてみたい。
文/永田恵一 写真/編集部、HONDA
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■現在では乗用車のほとんどがパンク修理キットに移行
現在、日本車の乗用車の大半がパンク修理キットか、パンクしても80kmの距離を80km/hのスピードで走れるランフラットタイヤを標準装備(レクサスLS、日産 スカイライン、GT-Rなど)としている。
対照的に今でもスペアタイヤを標準装備するモデルを挙げていくと、大きく2つに分類できる。
【1】テンパータイヤを標準装備する主なモデル
日産 マーチ、フーガ、スバル インプレッサG4、フォレスター(ターボ車)、WRX S4、スズキ エブリイワゴン、ダイハツ アトレー(一部グレード)など
【2】車両装着サイズのスペアタイヤを標準装備する主なモデル
トヨタ ハイエースワゴン、グランエース、ランドクルーザー、ランドクルーザープラド、日産 キャラバンワゴン、スズキ ジムニー、ジムニーシエラ
スペアタイヤを標準装備するモデルは、【1】が古いモデルなど、【2】は「ハードな使われ方をすることもあるので、スペアタイヤが標準サイズだったらありがたい」と感じるモデルという傾向だ。
また、パンク修理キットを標準装備するモデルでもトヨタ車はメーカーオプションでスペアタイヤを選べるモデルが多く(センチュリーは標準サイズのスペアタイヤも選べる)、トヨタ以外のメーカーでは何らかのスペアタイヤを選べるクルマはあまりないというのが現状だ。
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