消えたのは夫婦喧嘩!? カーナビの普及で激変した「道案内」とドライブの備え

消えたのは夫婦喧嘩!? カーナビの普及で激変した「道案内」とドライブの備え

 カーナビがすっかり当たり前の存在になっている現代の自動車社会。今やカーナビがなかった時代を知っているはずの中年以上の世代ですら、カーナビがなかった当時、知らない道をどうやって走っていたのか忘れつつあるという。

 そこで今回は、カーナビ普及の歴史を振り返りながら、カーナビが普及していなかった時代の運転術についてプレイバックしてみようではないか。まだカーナビがなかった頃からバリバリ運転していた熟年世代の自動車評論家、清水草一がナビゲートする。

文/清水草一 写真/フォッケウルフ、清水草一、本田技研工業、トヨタ

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■普及までの4つのエポックとは?

スマホが普及するのと同様、ディスプレイ技術の進化とともに、タッチパネルは当たり前になる
スマホが普及するのと同様、ディスプレイ技術の進化とともに、タッチパネルは当たり前になる

 いまやクルマにナビゲーションシステムは必需品。総務省が発表した2014年の白書によると、「7割程度の乗用車にカーナビが搭載されている」とのことだが、カーナビの出荷台数を見ると、2010年以降毎年500万台を超えており、2019年には604万台になっている。乗用車の年間販売台数(新車)は約500万台だから、現在の装着率はもっと高いはずだ。

 近年は車載ナビがなくても、スマホが超高性能ナビになる。そちらもナビとして換算すると、ナビを使っている乗用車の割合は9割以上ではないだろうか。そんなカーナビの歴史を振り返ると、4つの大きなエポックがあった。

【1981年】
ホンダが2代目アコードに世界初のカーナビを搭載。まだGPS機能はなく、自車位置の測定は速度センサーとジャイロに頼っていたので、箱根のワインディングをちょっと飛ばすと、どんどん自社位置が狂い、海の上になってしまった。

【1990年】
パイオニアが、後付けカーナビとして初のGPS機能を持った『サテライト・クルージング・システム カロッツェリアAVIC-1』発売。「道は星に聞く」というカッコよすぎるCMコピーが脳裏に焼き付いたが、価格はセットで約50万円と非常に高価だった。

【2000年】
アメリカが民生用GPSの位置情報精度を大幅に引き上げる。これによって車速センサーやジャイロの情報がなくても、GPSのみでほぼ自車位置が表示可能になった。

【2011年】
スマホのグーグルマップに渋滞情報が表示されるようになる。以後、スマホが最高の性能を持つナビへと成長していく。

 これらの技術的進歩により、21世紀に入るとカーナビは爆発的に普及。紙の道路地図にとって代わった。現在は、ほとんどのドライバーがカーナビに依存している。東京ではタクシードライバーすら、カーナビなしには仕事ができなくなっている。

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