iPhoneの製造を手がけるあのメーカーがEV製造に進出!!? ほかクルマ界近未来ニュース3選

iPhoneの製造を手がけるあのメーカーがEV製造に進出!!? ほかクルマ界近未来ニュース3選

 本誌『ベストカー』にて、毎号テック系の最新情報や気になる話題をお届けしている「近未来新聞」。

 今回はiPhoneの製造で知られる台湾のフォクスコンが手掛けたEV、EVエレモに軽トラ登場、トランスミッションでEVの弱点を補う試み…などなど、EV関係の話題を中心にお届けします!

※本稿は2021年12月のものです
文/角田伸幸、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年1月10日号『近未来新聞』より

【画像ギャラリー】台湾フォクスコンが手掛けたEV!! EVエレモに軽トラ登場!! クルマのニュースで未来が見えてくる!!(10枚)画像ギャラリー

■米3万ドルEVの裏にiPhone鴻海の影

 コロナ禍のおかげで日本では露出も少なかったロサンゼルスショーだが、気になるクルマが登場した。

 複雑な買収劇の後、EVメーカーとなった米フィスカー社が、SUVモデル「オーシャン」の市販バージョンを公開したのだ。

 このクルマがなぜ気になるのかといえば、部品調達など多くの部分を、iPhone製造で知られる台湾の鴻海(フォックスコン)が手掛けたためだ。

 当連載でもたびたび紹介しているが、鴻海はMIHというプラットフォームを使ってEV製造大手となる野望を抱いており、すでに北米や東南アジア、欧州での工場建設も発表済みなのだ。

 肝心のフィスカー・オーシャンだが、最大の衝撃はやはり価格だった。全長4.8m、全幅2m近いミッドサイズSUVながら、ベースモデルの価格は3万7499ドル。

 この値付けはテスラ・モデル3とわずか509ドルしか違わず、北米のEV補助金7500ドルを加味すれば、実質3万ドルを切る価格となる。

 この価格実現の裏には、やはり鴻海の力があるとみて間違いない。たとえばインテリアの目玉となる回転式液晶ディスプレイは鴻海肝いりの設計だし、バッテリーはMIHで手を組むCATL製だ。

 オーシャンの生産は2022年11月から。日本でもぜひその姿を見てみたいものだ。

フィスカー・オーシャン。最廉価モデルのみFFで上位グレードは4WD。価格は3万7499ドル~
フィスカー・オーシャン。最廉価モデルのみFFで上位グレードは4WD。価格は3万7499ドル~

■補助金対象として認められれば200万円で購入も可! EVエレモに軽トラ登場!

 昨夏、ベストカーで「エレモ」という小型商用EVを紹介したことをご記憶の読者もおられよう。

 そのエレモに「本命」ともいえるモデルが登場した。軽自動車規格に合わせた「エレモ-K」がそいつだ。

HWエレクトロの「ELEMO(エレモ)-K」。基本設計はオーストリアのマグナ・シュタイヤー
HWエレクトロの「ELEMO(エレモ)-K」。基本設計はオーストリアのマグナ・シュタイヤー

 まずベースのエレモについて触れておくと、HWエレクトロという会社が「北米設計・中国生産」の車両を日本向けに最適化し、販売を始めた国内初の小型商用EV。

 日本市場ではこのカテゴリーにライバルが存在しないため、脱炭素化を急ぐ物流業者などから熱い視線を集めている注目のクルマなのだ。

 もともとエレモは、ボディサイズが軽自動車に近いことから、発売当初から「軽規格化」がひとつの課題だった。今回その願いがかない、晴れて「エレモ-K」がデビューしたというわけだ。

 外観は写真を見てほしいのだが、キュートな顔つきが好印象。エレモのリアオーバーハングを切り落とし、全長3390mm、全幅1440mmのボディとすることで、日本初の軽トラEVに仕上がった。

シートは前にスライドさせることにより、リクライニングもできる。通信を使った運行管理も可能
シートは前にスライドさせることにより、リクライニングもできる。通信を使った運行管理も可能

 もちろんハンドルは右配置、荷台はカスタマイズが可能で、写真のピックアップ式のほか、何もないフラットベッドやボックス型なども選べる。

 搭載するバッテリーはリチウムイオン式で容量は13kWh。最大航続距離は120kmというから、物流のラストワンマイルを担うには不足はない。急速充電には未対応ながら、6~8時間の普通充電で満タン可能だ。

 そのほか、安全にも気が配られていて、4輪ディスクブレーキ、ABSが標準なのはもちろん、踏み間違い防止装置まで付いているのはありがたい配慮だ。

 エレモ-Kの価格は249万7000円から。EV購入補助金の対象車種として認められれば50万円が補助されるため、200万円で購入可能になる。赤帽など、個人で運送業を引き受ける方々には、明るいニュースに違いない。

次ページは : ■トランスミッションはEVの弱点を補うか?

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