新型ステップワゴン300万円切りで登場! でも「エアー」の装備差が惜しすぎる!?

新型ステップワゴン300万円切りで登場! でも「エアー」の装備差が惜しすぎる!?

 新型ステップワゴンが2022年5月26日0:00に情報解禁となった。大幅に進化した乗り味、そしてなによりエアという「ふんわり系」の優しいエクステリアの「エアー」が設定されて話題になったのは既報のとおり。

 ライバルであるノア/ヴォクシーにセールス面では先行されているステップワゴンだが、このクラスのミニバンのパイオニアでもある同車だけに新型での大幅巻き返しが期待される。今回は発表に先んじて実施された媒体向け撮影会、そして体感試乗会を通じて新型ステップワゴンを徹底解説。

 価格は299万8600円~384万6700円と300万円の大台を切ってきたが、目玉候補と思っていたエアーには意外な盲点が。そしてスパーダをホンダが推していく理由にも迫ります。

文/渡辺陽一郎、写真/池之平昌信、HONDA

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■パイオニア「ステップワゴン」の栄光を引き継げ

とうとう正式発表されたホンダ ステップワゴン(左:AIR、右:SPADA)
とうとう正式発表されたホンダ ステップワゴン(左:AIR、右:SPADA)

 多人数で乗車できて荷物も積みやすいミニバンは、国内の売れ筋カテゴリーだ。新車として売られる小型/普通乗用車の内、20~25%をミニバンが占める。

 そのミニバンの主力車種がステップワゴンだ。初代モデルは1996年に発売され、全高が1800mmを超えるミニバンでは、最初の前輪駆動車となった。この後、ほかのミニバンも、後輪駆動から空間効率の優れた前輪駆動へ移行している。

 ステップワゴンはフルモデルチェンジを重ね、2022年5月には6代目へ刷新された。プラットフォームは先代型の5代目と共通で、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2890mmだから等しい。

 その一方でボディサイズは拡大された。先代ステップワゴンの全長は、標準ボディが4690mm、スパーダは4760mm、全幅は両ボディとも1695mmだった。それが新型では、先代の標準ボディに相当するエアーの全長が4800mm、スパーダは4830mmだ。全幅も両ボディとも1750mmになる。

 先代型の標準ボディは5ナンバー車だったが、新型のエアーは全長が110mm、全幅も55mm拡大され、全車が3ナンバー車になった。ここまでボディを拡大した理由を開発者に尋ねると、以下のように返答された。

 「全長は衝突安全性を向上する目的で拡大した。全幅は、外観の存在感を際立たせるため、先代型に比べるとドアパネルを外側へ張り出させた。従ってボディは大きくなっても、室内空間はあまり広がっていない。それでもサイドウインドーの部分では、室内幅が拡大している」。

次ページは : ■前方視野の広さで運転環境が大幅進化

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