ベストカーWebでは新型クラウンが今夏(7月15日予定)、フルモデルチェンジを果たすことはお伝えしているが、その第一弾となる「クラウンプラス」以降のモデル戦略も判明した。
新型クラウンの販売戦略で、これまでとは大きく異なる戦略をとったトヨタの事情とともに、2023年以降順次投入されるモデルについて、最新情報をお届けしたい。
文/遠藤徹
写真/特許庁
予想CG/ベストカー編集部
■見積もりも発表当時までオアズケ! トヨタが異例の販売戦略をとったワケ
新型クラウンが7月15日「トヨタワールドプレミア」で発表、発売されるが、商品&販売戦略で従来と異なる販売戦略を打ち出しているのが注目される。
これまでの歴代モデルだと、発表、発売の約2~3カ月前にメーカーが次期型の商品内容を通達し、扱い店はプレキャンペーンをスタートさせる。そして1カ月前になると車両本体やオプション&付属品の価格を決めて先行予約の受付を開始していた。それが今回はまるで違った手法で臨んでいるのだ。
発表、発売までは商品概要をウェブサイトで扱い店に提示しているが、発表、発売1カ月を割り込んでいるのに現段階ではまだ価格を明らかにしていないばかりか見積書作成ができない状況にある。どうやら発表、発売日と同時に見積書の作成が可能になるようだ。
なぜこうした対応になったのか。サプライヤーからの半導体を中心とした部品の供給が遅れ、生産が早く立ち上がれない状況にあるのも一因となっているようだ。
これまで5月頃に発表、発売を予定していたが、できない状況にあった。これ以上先送りするわけにはいかないので、Xディーを決め、生産の立ち上げを8月頃と定めたようだ。
■クラウンプラス以降、順次投入される3タイプの全容
ただ納期については正確に確定できないので、年末ないしは2023年早々とユーザーには説明する腹積もりと思われる。第1弾として登場する「新型クラウンセダンプラス」は「従来なかった新しいコンセプト」を採用している。ボディタイプは4ドアセダンだが、クーペ感覚で全高を従来よりも80mm引き上げている。
最上級の「RS」は21インチの大径タイヤを履き、最低地上高を高くとっている。エンジン横置きでFFベースの4WD車であり、SUV感覚のコンセプトという仕立てをしている。
従来の歴代クラウンは企業の役員が乗ることを強く意識して開発してきたが、今回モデルはまったく異なり、SUV志向の若いユーザーを中心に考慮して作り上げたともいえそうだ。また従来の国内中心のマーケット開拓ではなく、欧米、中国への浸透も意識した仕立てとしていることも伺える。
しかしながら今後の商品戦略を見ると、これまでなかった新しい商品展開も伺える。次世代新型クラウンシリーズは7月15日に発表、発売のワールドプレニアでの「新型クラウンセダンプラス」を先鋒としてあと3タイプを加えた4タイプのラインアップとなる。
ほかのタイプは2023年以降、毎年投入される見通しで、従来路線を踏襲した法人向け中心の「新型クラウンノッチバックセダン」、ステーションワゴンの「新型クラウンエステート」、ハリアーの上級に位置する「新型クラウンクロスオーバーSUV」だ。
新型クラウンノッチバックセダンは、公用車を意識したオーソドックスなセダンで歴代クラウンの延長線上での新世代モデルである。
新型クラウンエステートはラグジュアリーステーションワゴンで歴代モデルでも設定された再登場バージョンであり、よりハイクオリティな作り込みで仕立てている。
新型クラウンクロスオーバーSUVはパッセンジャーモデルの最高峰に位置付けられる、ハリアーの上級シフトユーザーの受け皿的なポジションである。
これらの3タイプともプラットフォーム&基本コンポーネントは共通でパワーユニットは2.5Lハイブリッド&2.4Lターボハイブリッドを搭載。駆動方式は4WDのほか2WDも設定する。
ノッチバックセダンは歴代クラウンのように国内市場中心となるが、エステートとクロスオーバーSUVはセダンプラスと同様にグローバルモデルとして、欧米や中国でも売られるはずである。
こうした戦略はサブコンパクトモデルのカローラシリーズと同じである。したがって国内でもシリーズトータルで月販1万台規模を目指すことになる。
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