2019年10月1日に消費税が8%から10%に増税されるのに伴い、自動車取得税が廃止されるがすでに決まっているが、その代わりに燃費に応じた「環境性能割」と呼ばれる新税が創設させることがほぼ決まっている。
詳細な内容についてはまだ流動的だが、正式には2018年12月に審議される「平成31年度政府税制大綱」で決まることになる。今から、そうした内容を頭に入れながら新車購入を考えたほうがよさそうだ。
ということで、2018年後半から、2019年10月までにデビューする予定の新車スケジュールを網羅! 新車販売の達人・遠藤 徹氏が指南する!
文/遠藤 徹
写真/ベストカー編集部、環境省
■消費税が10%になり、環境性能割は0〜3%
2019年10月1日に消費税が8%から10%に引き上げられるが、その際に自動車取得税が廃止される。この自動車取得税が廃止されるいっぽう、新たに新設されるのが「環境性能割」だ。
「環境性能割」と聞いてもピンと来ないが、燃費に応じてかけられる燃費税といったほうがわかりやすい。自動車取得税は現在、普通車が0〜3%、軽自動車が0〜2%だが、結局、新たな「環境性能割」でもこの税率は変わらない。
しかしよく見ると普通車は、6区分から4区分になり、平成32年度燃費基準を達成した車両は、環境性能課税のほうが廃止される自動車取得税よりも有利となり、その一方で平成32年度燃費基準未達成車は、軒並み増税となる。
ひと言でいうと、燃費の悪いクルマほど増税されるということだ。例えばインプレッサ1.6i-Lアイサイト/2.0iLアイサイトの場合、燃費基準値が平成27年度燃費基準+5%なので、これまでの自動車取得税2.4%から、環境性能割では3%に上がるため、0.6%の増税になる。
結局、燃費のいいクルマの税負担が減り、燃費の悪いクルマの税金が上がる、これまでの税負担の流れと変わっていない。
■軽自動車の「環境性能割」
いっぽう、軽自動車は表のように平成32年度基準達成車、平成27年度燃費基準+10%達成車、平成27年度燃費基準+5%達成車は、増税となる。例えば平成27年度燃費基準+5%達成車のアルトワークスの場合、自動車取得税1.6%から、環境性能割だと2%となり、0.4%の増税。
平成32年度燃費基準達成車の取得価額が100万円の軽自動車を購入した場合、自動車取得税では8000円だったが、環境性能割では1万円となり、2000円の増税。平成27年燃費基準+10%のクルマは自動車取得税1万2000円から環境性能割では2万円と8000円の増税。軽自動車にとって厳しい燃費税だといえる。
いっぽう、自動車重量税や自動車税、軽自動車税のグリーン化特例は1年、継続される見込み。自民党税調では、「環境性能割」そのものを1年半先伸ばして、新車購入への影響を最小限にする方針を打ち出しているが、新車販売の半数を占めるクルマは非課税となるので、この「環境性能割」が始まると、大打撃を被るのは、燃費が悪いクルマと軽自動車ということになりそうだ。
正式には平成31年度の政府税制大綱が閣議決定される2018年12月中旬以降に判明するが、それまでに心の準備をしておきたい。
■2018年11月〜2019年10月までの新車スケジュール
ということで、自動車取得税から環境性能割に変わることを踏まえつつ、2018年11月から消費税が10%にアップする2019年10月までの新車スケジュールをメーカーごとに分けて紹介していきたい。
■トヨタ/レクサス:大物はスープラ、RAV4、カローラ!
トヨタ/レクサスは今年末に次いで2019年にも引き続き積極的なニューモデル展開を予定している。今年はトヨタが11月19日にプロボックス/サクシードバンを一部改良すると同時に1.5Lハイブリッドを追加。12月3日にはC-HRに特別仕様車を設定し、12月7日にはプリウスをマイナーチェンジ。レクサスは11月27日に新型ミディアムSUV「UX200/250h」を発売する。
2019年はトヨタが4月に新型RAV4、6月にはカローラをフルモデルチェンジ。レクサスは後半にCT200h、RXをビッグマイナーチェンジするが、新規やフルモデルチェンジの投入予定はない。
このほか、アクア、ハリアーなどもモデルが古くなっているので場合によってはフルモデルチェンジか後継モデルに引き継ぐサプライズがあるかもしれない。
●2018年11月19日:プロボックス/サクシードバン=格安の1.5ハイブリッドを追加
新設定のハイブリッドは消費税込車両本体価格がU=181万9800円、UL=185万6520円、UL-X=192万7800円、TX=196万5600円でいずれも200万円を切る設定。一部改良での装備充実分はトヨタセーフティセンスの人や標識など検知機能拡大やイモビライザーの標準装備など。
●2018年11月27日:レクサスUX200/250h
C-HRベースのミディアムSUV。新開発の2L直噴NAガソリン&同ハイブリッドを搭載。NAガソリンの使用燃料は無鉛プレミアム、ハイブリッドはレギュラー。すでに予約受注の受付を開始。価格はNAガソリン200が標準=390万円、バージョンC=414万円、Fスポーツ=443万円、バージョンL=474万円、250h標準425万円、バージョンC=449万円、Fスポーツ=478万円、バージョンL=509万円。
●2018年12月7日:プリウスマイナーチェンジ、内外装のデザイン変更、安全対策強化
フロントグリル、ヘッドランプ回り、リアコンビランプのデザインを変更。特にリアコンビランプは不評だった縦長の鋭角デザインを短縮。全体的にプリウスPHV的な意匠とする。安全対策は「トヨタセーフティセンス」のPを外し、人に加えて自転車などの検知機能を拡大する。
●2019年1月上旬:ヴォクシー/ノア/エスクアイア、一部改良、安全対策強化
●2019年4月:Z4の兄弟車、スープラ登場
BMW Z4の兄弟車、スープラがいよいよ発売となる。エンジンはBMW製3L、直6ターボで350psになり、完全なニュートラルステアを実現するハイテクLSDが採用されている。市販型のワールドプレミアは2019年1月のデトロイトショーだ。
●2019年4月:新型RAV4発売。3列シート7人乗り車を設定
オーソドックス&シンプルなSUVボディシェルを採用。パワートレインは新開発直噴2L&同ハイブリッドを搭載。ただしトヨタは2025年までにトヨタ全系列店を1本化し、取り扱い車種を同一にすることをつい最近決めている。このことはほぼ同クラスに位置するハリアーとのコンセプト分けが難しくなるので、こちらの次期型と統合し、新型RAV4の投入は見送られる可能性もある。
●2019年5月:ヤリス(ヴィッツ)、フルモデルチェンジ
ヴィッツが世界共通ネーム、ヤリスとなり、新型に生まれ変わる。新プラットフォーム、TNGAを採用し、大幅に進化する。もちろん、GRモデルも計画されている。
●2019年6月:カローラフルモデルチェンジ、フィールダーにGT-FOURもラインアップ!
セダンのアクシオとステーションワゴンのフィールダーを一新。全幅1800mm前後の3ナンバーサイズの採用で上級シフト。パワートレインはNAガソリンが1.5&2L直噴、ハイブリッドは2Lを搭載。セダンはプレミオ/アリオンとコンセプトが重なるため、こちらはモデル廃止し新シリーズは全系列店併売とする。また1.6Lターボ(250ps/27.0kgm)を搭載するGT-FOURがカローラのワゴンモデル、カローラツーリングスポーツのほか、カローラスポーツのGRモデルが2019年6〜7月に登場する!
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