2022年9月30日、トヨタ自動車への取材により新型クラウンクロスオーバーの受注台数が(正式発売開始から約1カ月で)2万5000台に達したとわかった。トヨタによると、受注比率は従来型でいうとロイヤル系にあたる2.5L+モーターのHV仕様が7割、従来型でアスリート(RS)系にあたる2.4Lターボ+モーターのデュアルブーストHV仕様が3割とのこと。
文/ベストカーWeb編集部、写真/TOYOTA、池之平昌信
■特急スケジュールなうえ流通不安定でも鉄板の需要
新型クラウンクロスオーバーの受注が、正式発売後約1カ月で25,000台に達した。発表時に公表した新型クラウンの月販基準台数は3,200台/月なので、約7.8倍にあたる受注を獲得した計算になる。
過去を振り返ってみると、2018年6月に発売した先代型(S220系)は1か月間で約30,000台を受注。そのさらに1代前の先々代型(S210系)は2012年12月発売後1カ月で約25,000台を受注している。
「クラウン」というトヨタの大看板だけに、底堅い(というか「鉄板」と言って差し支えない)需要が伺えるが、それにしても先代型登場から丸4年しか経過していないのに、そして何よりこの不安定なご時世に、皆さんきっちり買い替えるのですね…。
また、新型クラウンは2022年7月15日発表(ワールドプレミア)、9月1日より発売開始という超特急スケジュールであり(そもそも本格的な開発期間は約2年しかなかったという)、部品流通の不安定化などで生産が遅れており、全国のトヨタ販売店にはまだ新型クラウンの展示車や試乗車はほとんど出回っていない。…というこの逆風のタイミングで、しっかり25,000台の受注をとるあたり、さすが販売のトヨタ、さすが伝統のクラウンといえる。
一点、納車待ちが長期化するのがすこし心配。もちろん現時点の受注ユーザーは長納期化を納得して注文を入れているとはいえ、トヨタには引き続き全力で短期化に邁進してほしい(トヨタは9月30日に、部品流通不安定化による2022年10月の追加工場稼働停止日を公表したが、新型クラウンを生産する堤工場第2ラインは従来の停止日である10/8(土)、15(土)から追加なしで生産する。10月のグローバル生産台数は従来公表の80万台から75万台へ下方修正されたが、「通期生産見込みである約970万台についての変更はありません」とのこと。がんばれー!!)
前述のとおり、現時点での販売比率は、2.5Lエンジン+モーターの(従来型でいう「ロイヤル」系にあたる)HV仕様が7割、2.4Lターボ+モーターの新開発デュアルブーストHV(従来型でいう「アスリート(RS)系」にあたる)仕様が3割とのこと。こちらはちょっと意外だった。やはりクラウンの本流は「ロイヤル」系ということか。主要購買年齢層は公表されていないが、特に初期受注はそれなりに高齢化が進んでいると見られる。
クロスオーバー化したことで、SUVを狙う(比較的)若い層も新型クラウンへの関心は高いようだが、まだ販売数値には表れていないようだ(まあまだ実際に販売店ですら見られないし…)。
コメント
コメントの使い方営業の勉強不足により、15代目で継続顧客に上位グレードと勘違いして、硬く引き締まった超スポーティグレードのRSを無思考に勧めた、
それが不評を買い躓いた。その反省が深かったのか、今回はグレード選びへの情報伝達が発売前から徹底されているようです。
乗り心地を原点回帰しつつ進化させたり、客と直接対する人間を重視したり、クラウンはFR1つを捨てて多くの伝統を取り戻したのかも知れません