おじさんには難しすぎる? 新型車ATのシフト操作が複雑難解な件について

おじさんには難しすぎる? 新型車ATのシフト操作が複雑難解な件について

 ベストカー編集部の仕事の一つに、広報車の移動や撮影というものがあるが、最近ちょっと戸惑うことが増えている。エンジンをかけていざ走り出そうとシフトに手を伸ばすと「どうなってるの?」と迷うことがしばしば。

 以前はどのメーカーでもゲート式のオートマ用シフトレバーが主流だったのだが、新型車ではパーキング(P)がボタンになってて、その横にどちらに動かせばいいのか「ぱっと見」ではわからないレバーになっていたりする。特にハイブリッド車にこのタイプが多いのだ。

 そんな最新車のシフトレバー、使い勝手はどうなっているのか?

文/高山正寛、写真/萩原文博、NISSAN、TOYOTA

【画像ギャラリー】これはいったいなに? 使い方がわからない2022年最新シフト操作装置EXPO!!(6枚)画像ギャラリー

■そもそもシフトレバーって何だっけ?

2022年4月、トヨタ スープラ(RZグレード)にMT設定が追加された。シフトレバーってのはこうでなくっちゃ! と思わせるトラディショナルな形状だ
2022年4月、トヨタ スープラ(RZグレード)にMT設定が追加された。シフトレバーってのはこうでなくっちゃ! と思わせるトラディショナルな形状だ

 シフトレバーはその名の通り、クルマのギアを切り替える際に使う運転装置であることは誰もがわかっているはずだ。変速レバーとかギアレバーと呼ばれることもあるが、シフトレバーという呼称が一番しっくりくる。

 またオートマ車の場合はマニュアル車のような“ギアチェンジ”を頻繁に行わないのでギアセレクターなどと呼ばれることもある。

■最近、変わったシフトレバー多くないか?

 これが今回のテーマ。ロードスターのような頻繁にシフトを操作するクルマの場合はよりベストなシフトレバー位置が求められる。しかしオートマ車の多くは一度“Dレンジ”に入れておけば後はクルマにお任せでもある程度は大丈夫である。

 そして昨今、インフォテインメントシステムの大画面化やADAS(先進運転支援システム)、そして電動化との協調制御は従来以上にこのシフトレバーに影響を与えているといってもいいだろう。

 理由として大きく2つある。まずはクルマのイメージとして“先進性”をアピールしたいこと。そして2つめは前述したインフォテインメントシステムなどの進化によりシフトの場所が追いやられてきたことも大きい。

 普段取材をしているとインテリアのデザイナーとエアコンやインフォテインメントの電装系設計者はいわゆる“場所取り”で苦労しているという話を頻繁に聞く。

 それは20年前より顕著で、空調の吹き出し口やディスプレイ、そしてスイッチ類などが増え続けることで人間工学的にもベストな位置に落ち着くことが本当に大変とのことだ。

 例えば昨今ではエアコンの各種調整をインフォテインメントシステム内に組み込むことでタッチパネルで操作できる車種も増えてきている。これによりハードスイッチのエアコン操作部は不要になるので空間に余裕ができるわけだ。

 もちろんオートエアコンの性能が上がっているからこその結果だが、それでも車種によっては「エアコンだけはハードスイッチで残したい」という意見も多い。

次ページは : ■最近気になるクルマと言えば……

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