■最近気になるクルマと言えば……
少し話が遠回りになったが、これらにより従来からのシフトレバーではなく、スイッチ式のシフトが増えてきている。その代表例がホンダだろう。
ホンダ車には「エレクトリックギアセレクター」と呼ばれる機構の採用が最近加速している。
元々、この機構は2014年11月に発表されたレジェンドが初採用だ。
当時、ホンダは3種類のハイブリッドシステムを発表し、トヨタに対抗しようとしていたが、そのフラッグシップモデルであるレジェンドには最上位の3モーター式の「スポーツ ハイブリッド SH-AWD」を搭載、それに伴いこの「エレクトリックギアセレクター」をホンダ車として初採用したわけだ。
まさに先進性をアピールする意味でも抜群のタイミングだったわけが、その後この機構はNSXやアコード、インサイト、現行型のシビック、そして新型ステップワゴンに採用されている。
■でもe:HEVだけなのね
しかしシビックやステップワゴンのようにe:HEV(ハイブリッド車)の他にガソリン車をラインナップするモデルの場合、エレクトリックギアセレクターはe:HEVのみの採用になり、ガソリン車は普通のシフトレバー式になる。
前述した先進性も含め、ガソリン車との差別化も必要であることは理解できるが、実際のところ、まだまだこの「スイッチを押して操作する」という行為自体に違和感を持っている人も少なくない。
シフトレバーの場合、レバーを動かす行為や視界に入ってくるレバー位置などからもどのギアに入っているかを理解しやすい。
もちろんインパネ内にシフトインジケーターも採用しているのでその部分は抜かりはないし、人間工学的にも研究されて作られてはいるが、初見ではDレンジからRレンジ(後退)に入れる際に迷うという声も聞く(筆者知人の50代アコードユーザー)。
ホンダは当面、この機構をe:HEV車に積極採用していくと考えられるが、マイナーチェンジを行ったフィットやヴェゼルはe:HEVでもレバー式を採用、2023年春以降に発売予定の新型ZR-Vにはエレクトリックギアセレクターを採用するなど、車格などに合わせた設定になっている。
■あのクルマも別々のシフト方式を採用
そしてもうひとつ注目なのは新型トヨタシエンタだろう。
旧型はガソリン車、ハイブリッド車ともゲート式のシフトレバーを使っていたが(ガソリン車にはSモードがあり微妙に異なる)、新型は大きく変わっている。
これは先行して発売されているノア/ヴォクシーも考え方は同じでハイブリッド車は「エレクトロシフトマチック」、ガソリン車は「10速シーケンシャルシフトマチック付きストレート式シフトレバー」となっている。
シエンタのガソリン車は1.5Lエンジンを搭載するが、前述したシーケンシャルシフトを使うことで山道などでも軽快な走りを楽しむことができる。実際、このシステムを使わなくても十分なのだが、その辺はひとつのアピールポイントとして採用しているのだろう。
そして注目はやはりハイブリッド車だろう。このエレクトロシフトマチック自体は別に珍しい機構ではなく、2代目プリウスから採用されているものだ。
実はこの機構自体の操作に迷うと言う声もまだまだ多い。筆者は旧型(3代目:30系)、現行型(4代目:50系)を乗り継いでいるが、慣れとは言え、気になる点がひとつだけある。
それが「Bレンジ」である。このレンジは急な下り坂などでDレンジより強い制動力を発揮させるものだが、DレンジからBレンジに動かす際は手前にレバーを引くだけで良いのだが、ここからDレンジに戻す際は一度レバーを右に動かし、再度手前に引く、というアクションが要求される。
意外とこれが面倒だったりすることや、中には本当にまれなのだが、「Bレンジをバックギア」だと勘違いしてしまう人がいる(バックはR=リバースです)、もちろん走行中にRレンジに入れてもアラーム音が鳴ることで注意を促す。
まあ、ちゃんとマニュアル読みましょうね、と言いたい部分もあるのだが、車庫入れなどで頻繁にギアを切り替える際には注意が必要だ。
それでもプリウスの場合は可動域が大きいのでレバー式とまではいかなくても操作している感覚がある。しかしシエンタの場合は非常にコンパクトに設計されており、BレンジからDレンジ、またRレンジに入れた際の節度感がやや乏しいと感じる時がある。
コメント
コメントの使い方というか機械制御のほうが(メンテは必要だけど)長く乗れるのにどんどん電子化する理由ってなんですの?
少し違いますが最近の車ではサイドブレーキを引く作業がない影響で普通の車でサイドブレーキを下ろさずにそのまま走ってしまう人をよく見かけます。
あの操作は絶対自動じゃなくて手動+警告音とかのほうがいい。レンタカーとかに乗ったときに下ろし忘れて車燃えるなんて事案が出る前に。
シフトノブは人間工学的に優れていると思うんだけどね。シフトノブは駐車時などは前進と後退の操作を頻繁にするでしょ。(運転が上手くない私など特に) 世間には誤発進抑制装置は必要と感じるぐらい、誤操作する人がいるのに、シフト操作をボタンにしたらもっと誤操作が増えて事故が増えそうで怖い。 年齢もあるが自分が購入したい車がボタンシフトだったら購入は止めるかも。
メーカー間で差別化できる数少ない部分ですからね、しょうがないと思います。シーケンシャルシフト時代もマニュアルアップダウンの方向さえ統一されてませんでしたからね。父のホンダレジェンドが逆で、要注意でした(笑) 好み、ということにしておきますがこれ考えた設計者は頭沸いてるんじゃないかという配置の車は、車選びから外してます。たかが操作系、でも安全や駆動系の思想など他も疑われてもしょうがないですよね。
日常多発している踏み間違い事故も、こうした複雑な操作が増えている事も遠因になっているような気がする。前進後退といった単純な動きをさせるだけのことでも一苦労で、いっぱいいっぱいになってしまい、ペダル操作に迄きが回らなくなってしまう可能性もあるかもしれない。
高齢者向けの楽々スマートフォンのような車も必要だと思う。それにうってつけなのが軽貨物。面倒な操作を要するところがない。
すぐ慣れるよね
ちなみにオートエアコンは相変わらずバカだけど。
(大衆車だから?)
誤操作防止の安全装置が付いているなら大丈夫かな?
知らんけど
シフトレバーからシフトボタンへ。エンジンブレーキの操作ならレバーでないと感覚や操作がおかしくなりやりずらいな。
誤ったボタンを押すことも怖い。
個人的には、プリウス式よりホンダのボタン式の方が分かりやすくて良い。