おじさんには難しすぎる? 新型車ATのシフト操作が複雑難解な件について

■でもe:HEVだけなのね

 しかしシビックやステップワゴンのようにe:HEV(ハイブリッド車)の他にガソリン車をラインナップするモデルの場合、エレクトリックギアセレクターはe:HEVのみの採用になり、ガソリン車は普通のシフトレバー式になる。

 前述した先進性も含め、ガソリン車との差別化も必要であることは理解できるが、実際のところ、まだまだこの「スイッチを押して操作する」という行為自体に違和感を持っている人も少なくない。

 シフトレバーの場合、レバーを動かす行為や視界に入ってくるレバー位置などからもどのギアに入っているかを理解しやすい。

 もちろんインパネ内にシフトインジケーターも採用しているのでその部分は抜かりはないし、人間工学的にも研究されて作られてはいるが、初見ではDレンジからRレンジ(後退)に入れる際に迷うという声も聞く(筆者知人の50代アコードユーザー)。

 ホンダは当面、この機構をe:HEV車に積極採用していくと考えられるが、マイナーチェンジを行ったフィットやヴェゼルはe:HEVでもレバー式を採用、2023年春以降に発売予定の新型ZR-Vにはエレクトリックギアセレクターを採用するなど、車格などに合わせた設定になっている。

■あのクルマも別々のシフト方式を採用

新型トヨタ シエンタ(ガソリン車)のシフトレバー
新型トヨタ シエンタ(ガソリン車)のシフトレバー

 そしてもうひとつ注目なのは新型トヨタシエンタだろう。

 旧型はガソリン車、ハイブリッド車ともゲート式のシフトレバーを使っていたが(ガソリン車にはSモードがあり微妙に異なる)、新型は大きく変わっている。

 これは先行して発売されているノア/ヴォクシーも考え方は同じでハイブリッド車は「エレクトロシフトマチック」、ガソリン車は「10速シーケンシャルシフトマチック付きストレート式シフトレバー」となっている。

 シエンタのガソリン車は1.5Lエンジンを搭載するが、前述したシーケンシャルシフトを使うことで山道などでも軽快な走りを楽しむことができる。実際、このシステムを使わなくても十分なのだが、その辺はひとつのアピールポイントとして採用しているのだろう。

 そして注目はやはりハイブリッド車だろう。このエレクトロシフトマチック自体は別に珍しい機構ではなく、2代目プリウスから採用されているものだ。

トヨタ プリウスの電制シフト(写真は3代目のもの)
トヨタ プリウスの電制シフト(写真は3代目のもの)

 実はこの機構自体の操作に迷うと言う声もまだまだ多い。筆者は旧型(3代目:30系)、現行型(4代目:50系)を乗り継いでいるが、慣れとは言え、気になる点がひとつだけある。

 それが「Bレンジ」である。このレンジは急な下り坂などでDレンジより強い制動力を発揮させるものだが、DレンジからBレンジに動かす際は手前にレバーを引くだけで良いのだが、ここからDレンジに戻す際は一度レバーを右に動かし、再度手前に引く、というアクションが要求される。

 意外とこれが面倒だったりすることや、中には本当にまれなのだが、「Bレンジをバックギア」だと勘違いしてしまう人がいる(バックはR=リバースです)、もちろん走行中にRレンジに入れてもアラーム音が鳴ることで注意を促す。

 まあ、ちゃんとマニュアル読みましょうね、と言いたい部分もあるのだが、車庫入れなどで頻繁にギアを切り替える際には注意が必要だ。

 それでもプリウスの場合は可動域が大きいのでレバー式とまではいかなくても操作している感覚がある。しかしシエンタの場合は非常にコンパクトに設計されており、BレンジからDレンジ、またRレンジに入れた際の節度感がやや乏しいと感じる時がある。

次ページは : ■では今後はどうなるのか?

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