ミニバンといえば多人数乗車が当たり前だが、上海ショーで登場した新型レクサスLMは、豪華な4人乗り仕様が話題となった。しかし4人乗りミニバンはLMが初じゃない。エルグランドやアル/ヴェルにはゴージャスな4人乗り仕様があり、しかも中古車なら庶民でも手が届くのだ!
文/萩原文博、写真/日産、モデリスタ、LEXUS
■2列4人乗りは「走るリビング」
2023年4月に開催された上海モーターショーで、次世代レクサスが新たな選択肢として提案するフラッグシップMPVとしてLMを世界初公開した。LMはアルファード/ヴェルファイアをベースとしたショーファードリブンMPVとして2020年から中国やアジア地域で販売された。
そして、2代目となるレクサスLMは、上海モーターショーで世界初公開されただけでなく、2023年秋には日本市場にも導入される予定となっている。レクサスLMは3列6/7人乗り仕様に加えて、“動く執務室またはリビングルーム”と言える豪華な内装の2列4人乗り仕様を用意している。
ここではレクサスLMにも用意されている、贅沢な4人乗りミニバンの中古車事情に迫ってみる。
広い室内空間が特徴でフラッグシップミニバンの4人乗りモデルのパイオニアと言えば、初代日産エルグランドに設定された新世代VIP車のロイヤルラインだ。
日産自動車と当時のオーテックジャパンが手掛けたロイヤルラインは、セカンドシートを航空機のファーストクラスのようなシートを採用することで、これまでにない贅沢な座り心地と深い安らぎを実現した。
後席右側はビジネスが迅速にこなせる執務席に仕立てられ、パソコンが置ける机を設置。後席左側は快適な姿勢でテレビを楽しめるくつろぎの席とそれぞれに最適な機能を備えた後席VIPシートを採用しているのが特徴だった。ただ、当時設定されていたテレビが7インチの液晶テレビというのが時代を感じさせる。
ロイヤルラインは3.3L V6エンジン搭載した2WD車のみに設定され、新車時価格は695万円だった。残念ながら現在エルグランドロイヤルラインの中古車は流通していない。
2002年に登場した2代目エルグランドには4人乗りモデルは設定されず、エルグランドに4人乗りモデルが復活したのは2010年に登場した現行モデルになってからだ。
2010年8月に、エグゼクティブのための走る執務室をコンセプトにした特別仕様車の“VIP”を設定した。
最上級グレードの350ハイウェイスタープレミアムをベースに内装を黒本革仕様に変更。さらに後席の読書灯や100V電源、乗降用のステップなどを標準装備している。また走行性能面においてもVIP専用のタイヤを採用することで、更なる上質な乗り心地を追求した。
7人乗りがベースだが、ユーザーの希望によって4人乗りにもできるオーダーメードに対応しているのが特徴だ。
エルグランドVIP7人乗りの新車時価格は575万5000円~605万8500円だった。そしてVIPの4人乗り仕様は630万~658万3500円。最上級モデルのVIPパワーシートパッケージは735万~763万3500円だった。
現在、現行型エルグランドVIPの中古車は約20台流通していて、そのうち4人乗り仕様は約10台となっている。中古車の価格帯は約110万~約678万円で、中心価格帯は400万円台となっている。
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