普通免許で乗れる特殊車両の世界

普通免許で乗れる特殊車両の世界

 ベストカー読者なら多くの人が持っている普通自動車免許(以下普通免許)。現行の制度で取得した普通免許で運転できる車両の範囲は車両総重量5000㎏未満、最大積載量3000㎏未満、乗車定員10人以下となっており、ハイエースの10人乗りワゴンや多くの小型トラックも運転することができる。

 さらに普通免許を持っていれば原付や小型特殊自動車、トライクに代表される三輪自動車、トヨタ車体のコムスのような超小型車も運転可能だ。

 このなかで普段、特に意識しないのが小型特殊自動車。小型特殊自動車とは農業用のトラクターなどが属する特殊自動車で、ナンバーを取得できるものを登録すれば公道の走行がOKなのだ(ただし、その車両で作業をするには資格がいる場合も多々あり、公道での移動と作業の見分けがつかないものはナンバーが付いていても普通免許だけでは公道での走行が違法となることもあるので要注意)。

 なお小型特殊自動車の枠を超える特殊車両は大型特殊自動車に分類され、大型特殊免許が必要。大型自動車免許で大型特殊車両は運転できないのでこちらも要注意だ。

 そういったことを踏まえて普通免許で運転できる車両を探すと意外に多く、楽しそうなものがたくさんある。ここではそんな車両たちを紹介していこう。生活が変わるかも知れないぞ!

市場内を機敏に駆け回る! ターレット型構内運搬車

運転方法は外側の円周がハンドル、内側の円周がアクセル(押し下げるとパワーが出る)、ブレーキは右足でペダル踏む、レバーで前進、後退の切り替えと、ごく簡単だ
運転方法は外側の円周がハンドル、内側の円周がアクセル(押し下げるとパワーが出る)、ブレーキは右足でペダル踏む、レバーで前進、後退の切り替えと、ごく簡単だ

 俗に「ターレ」と呼ばれているターレット型構内運搬車は見たことがない人も多いかもしれない。ターレは運転台に立ち乗りで運転する三輪トラックで、市場などでの構内運搬用に使われている。

 ほとんどの車種が小型特殊登録可能となっており、公道を走ることもできる。最近はガソリンエンジン車に加え、市場内の空気を汚さないため、天然ガス仕様やEV仕様も増えつつある。

 「超狭路を通って近所まで大きな荷物を運ばなければならない」という人なら便利な乗り物だ。

降雪時に大活躍!都会でも必要かも? 小型除雪車

住宅街や狭い生活道路、歩道などの除雪を使用対象としたモデルで、最大除雪量は最大。パワフルなエンジンと、低い重心で安定性が高いことも大きな特徴。
住宅街や狭い生活道路、歩道などの除雪を使用対象としたモデルで、最大除雪量は最大。パワフルなエンジンと、低い重心で安定性が高いことも大きな特徴。

 雪国では走っている光景をよく見る除雪車には、小型特殊扱いで普通免許での公道での走行が可能な小型のものがある。ただし公道を買い物などのために走るだけなら普通免許でOKだが、公道などの除雪作業をするには講習を受け資格を取ることが必要だ。

 自分の敷地内の除雪は資格なしで可能なので、家が広い豪雪地帯の人なら持っていると非常に便利だろう。日本除雪機製作所のHTR53はこのクラス最大の除雪量を誇り除雪のほか草刈りや道路の清掃などにも活用できる拡張性の高さも特徴だ。

圧倒的な走破力で雪山でも大活躍!  クローラー装着車

当然ながら乗り降りは大変だ
当然ながら乗り降りは大変だ

 かつてはメーカーのカタログモデルがパジェロやミニキャブにラインナップされていたクローラー装着車。雪道というよりスキー場のような豪雪路や泥濘状態になっている山のなかでも難なく走れる走破性が特徴だが、この種のクルマはスキー場のなかにあるペンションやホテルへの送迎、本格的なハンティングの足に使われることが多いという。

 公認車検を取得すれば普通免許で公道走行可能なので、クルマ好きだったら一度は乗りたい1台だ。

  • ノースウエスト特殊車両 ハイパーデルタV3(ハイエースなどに装着)=328万円
  • ※別途取付加工費、公認車検取得費用が必要
  • 問・販売元=ノースウエスト特殊車両

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