「お先にどうぞ！」はありがた迷惑!?　困った歩行者に遭遇したらどうすりゃいい？

　歩行者のいる信号機のない横断歩道の手前で一時停止した時、歩行者から「お先にどうぞ！」と譲られることはたまにある。2、3度「お先にどうぞ！」を繰り返したあげく発進したのに「取り締まりを受ける！」という話が。では、いったいどうすればいいのか？

文／今坂純也（DIRT SKIP）、写真／写真AC

■えっ!?　歩行者に譲られたから進んだのに違反なの!?

　2022年夏、ネットを騒がせた話があった。信号のない横断歩道で一時停止後、歩行者に道を譲られてそのまま進んだドライバーが取り締まりを受けたというもの。

　信号機のない横断歩道でのルールは、道路交通法第38条にこう記されている。

　「車両等は、横断歩道又は自転車横断帯（以下この条において「横断歩道等」という）に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車（以下この条において「歩行者等」という）がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前（道路標識等による停止線が設けられている時は、その停止線の直前。以下この項において同じ）で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等がある時は、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない」

　ドライバーはこれを守っていたが、歩行者に道を譲られたのでそのまま進行して取り締まりを受けた。しかし、その後弁護士を通じて歩行者妨害撤回を求めたところ、警察は違反不成立を認めて撤回。

　取り締まりを行った警察担当部署からは、「一時停止後に歩行者に譲られて進んだ場合は違反にならない。今後は現場の警察官に徹底指導。ドラレコは今後確認する」などの説明を受けたという。

　スピード違反など計測装置を用いて取り締まりを行うものであれば弁明の余地はほぼないだろうが、こういった場合は違反なのか、そうでないのか？　の判断が難しい。そもそも、違反とするかどうかは現場の警察官に委ねられているからだ。

　今回の件では違反不成立が認められたが、万が一私たちがこのようなことに巻き込まれてしまったらどうすればいいのか？

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