国土交通省は1月24日、トラック等の商用車におけるカーボンニュートラル達成に向けて、日本で開発が進められているバッテリー交換式EV技術の国連基準化を目指すと発表した。
文・写真/トラックマガジン「フルロード編集部」
国土交通省が目指すバッテリー交換式の国連基準化
国土交通省はこのほど、高い稼働率や経済性が求められるトラック等の商用車で、我が国で開発・実証されるバッテリー交換式EV技術の国連基準化を目指し、オールジャパンで取り組みを推進すると発表した。
また、国際ルール(国連基準)の策定を実現するため、カーボンニュートラルセンターを立ち上げ(第1回会合を1月31日に開催)、国内外動向の情報共有や標準化活動との連携等を官民で行ない、今年中にバッテリー交換式EVの国連基準にかかる国際議論を開始するとした。
商用EVについては、航続距離が短く、バッテリー充電時間が長いことが課題となっており、充電によるダウンタイムを縮減するアイディアとして、バッテリーを車両から取り外して充電が可能なバッテリー交換式EVの開発が自動車メーカー等で進められている。
いすゞ、三菱ふそうがモビリティショーでそれぞれ披露
商用車メーカーとしては、いすゞ自動車と三菱ふそうがバッテリー交換式EV技術を発表しており、昨年10月に開催された「ジャパンモビリティショー2023」(JMS2023)では、実用化を目指した取り組みが公開されている。
このうち三菱ふそうは、米・アンプル社が開発した5分程度で完了するバッテリー自動交換ステーションを公開し、小型EVトラック、新型eキャンターに搭載されたアンプル製バッテリーをロボットが自動交換を行なう技術がJMS2023の会場で披露された。
三菱ふそうでは同技術の実証ステーションの準備がすでに進められており、まもなく社会実証が始まるとみられる。
いっぽういすゞ自動車は、独自開発したバッテリー交換ステーション「EVision Cycle Concept」をJMS2023で発表。会場では小型EVトラック、エルフEVに搭載した高電圧バッテリーを自動で交換する様子が披露された。
JMSのものはあくまでコンセプトかと思われたが、後に行なわれたカーボンニュートラル商品・技術方針説明会で、実用化に向け開発を行なっていくことが示され、2025年度にはバッテリー交換式エルフEVの社会実証を開始する予定だ。
また、いすゞ自動車も参画するCJPT(CN実現を目指し、いすゞ・トヨタ・日野が設立した企業。スズキ・ダイハツも後に参加)は、ヤマト運輸とタッグを組みカートリッジ式バッテリーの規格化・実用化に向けた検討が発表(2022年)されており、CJPTの輪を中心にした規格化・開発が行なわれていくものとみられる。
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