パジェロ、ランエボ、スカイライン、フェアレディZ、レガシィツーリングワゴン、ロードスター。そのまま日本のクルマの歴史そのものと言っても過言ではない名門中の名門車たち。これら名車たちの最も売れたモデルを徹底調査!(本稿は「ベストカー」2013年2月26日号に掲載した記事の再録版となります)
解説/片岡英明
■三菱 2代目パジェロ(1991年~1999年)…約39万1000台
●三菱 2代目パジェロの魅力
パジェロは、道なき道に踏み込んでいく4WDのジープの製造を通して得られたノウハウをもとに設計された新感覚のSUVだ。いち早くワゴンを設定し、快適性は二の次だったクロスカントリー4WDのイメージを一新している。それだけでなく、高性能なガソリンターボや上質なV型6気筒エンジンを積み、異次元の走りも生み出した。
世界中のSUVファンを魅了したパジェロの2代目は1991年にデビューしている。ガソリンエンジンはV型6気筒だけとなり、途中からは革新的な筒内直接噴射のGDIエンジンも登場した。ディーゼルターボも時代の先端をいく高度な設計だった。
また、自慢の4WDシステムは3つのモードを持つスーパーセレクト4WDに進化している。
2代目は卓越したメカニズムを武器に、大ヒットとなった。そのタフな走りは過酷なパリ・ダカールラリーでも立証され、パジェロ人気にひと役買っていたのだ。アクティブな走りに加え、洗練されたデザインだったことも人気を博した一因に挙げられる。
●全世代に見る2代目パジェロの売れっぷり
当時のRVブームの中心にいたのが2代目パジェロ。国内の新車販売台数で1位に輝いたこともあるというから当時の人気の高さがうかがえる。RVブームの失速とともに次の3代目から販売が停滞傾向になったのが残念
●三菱 2代目パジェロの諸元(スーパーエクシード)
・全長4650×全幅1785×全高1900mm
・ホイールベース:2725mm
・車重:2140kg
・エンジン:直4SOHCターボ
・総排気量:2835cc
・最高出力:125ps
・最大トルク:30.0kgm
・価格:357万9000円
●ちなみに…1991年はどんな年だった?
マツダがル・マン24時間で日本車初の総合優勝を飾ったこの年、貿易黒字が1000億円を突破したもののバブル崩壊に向け一直線。湾岸戦争勃発も不安を煽った。
■日産 4代目スカイライン(1972年~1977年)…約67万562台
●日産スカイライン4代目の魅力
スカイラインの名前を多くの人たちに浸透させたのは3代目のC10系スカイラインだ。マニアから「ハコスカ」と呼ばれ、愛された。特にロングノーズに直列6気筒エンジンを積む2000GTシリーズは、新しいユーザーを獲得することに成功。また、超ド級の高性能モデル、GT-Rがレースで大暴れしたことも人気を後押しした。
2000GTを中心に、C10系スカイラインが絶頂にあった1972年9月に登場したのが4代目。型式はC110で、“ケンとメリー”のスカイラインと呼ばれている。初めて4気筒エンジンを積むファミリー系と6気筒エンジンを積む2000GTシリーズが同時に送り出された。
また、4ドアセダンを筆頭に、2ドアHTとステーションワゴンを設定するなど、ボディバリエーションも多彩だった。
特に2ドアHTは、アメリカのマッスルカーを彷彿させるウエッジシェイプの伸びやかなフォルムでカッコよかった。これも人気を呼んだ理由のひとつだろう。当時はGT-Rの悲劇性も大きな話題となった。
●全世代に見る4代目スカイラインの売れっぷり
一番売れたのは4代目のC110型。通称「ケンメリ」だ。以後は代が変わるごとに販売台数は減っていく。一番台数が出なかったのは、10代目のR34型。販売期間が3年しかなかったというハンデが響いたか。
●日産 4代目スカイラインの諸元(2000GT)
・全長4460×全幅1625×全高1385mm
・ホイールベース:2610mm
・車重:1125kg
・エンジン:直6SOHC
・総排気量:1998cc
・最高出力:120ps
・最大トルク:16.5kgm
・価格:89万円
●ちなみに…1972年はどんな年?
札幌で冬季オリンピック開催。中国との国交が回復しパンダブーム到来。連合赤軍事件が最大の事件。クルマ界では若葉マーク制度がこの年から新規導入された。
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