ウインカーは自身がどの方向に動くのか? を周囲に知らせる重要な装置。正しく使わなければ事故の原因ともなってしまうもの。今回はウインカーの正しい使い方、正しく使わなかった場合の罰則などについて。
文/山口卓也、写真/写真AC、イラストAC
【画像ギャラリー】正しくウインカーを使うことが事故を防ぐ!(6枚)画像ギャラリー■ウインカーを使うべき場所とは?
ウインカーを使うべき場所は道路交通法で次のように決められている。
●右左折する時
交差点などで右左折する時は右左折する地点の30m手前でウインカーを点滅させ、右左折が完了するまで点滅。
●車線変更する時
同一方向に進行しながら車線変更をする時は車線変更を開始する3秒前にウインカーを点滅させ、車線変更が完了するまで点滅。
●Uターン(転回)する時
Uターンする地点の30m手前でウインカーを点滅させ、Uターンが完了するまで点滅。
●環状交差点を出る時や、徐行・停止する時
環状交差点を出る時は、自身が出ようとする地点の直前の出口の側方を通過した時にウインカーを点滅。環状交差点で徐行・停止・後退する時はウインカーを点滅させ、周囲の安全を確認してから徐行・停止・後退する。
●路上の駐停車からの発進、走行から停止して駐停車する時
発進する場合は右ウインカーを点滅させ、周囲の安全を確認してから発進。駐停車する場合は左ウインカーを点滅させ、周囲の安全を確認してから駐停車する。
■ウインカーを正しく使えていないドライバーは意外と多い
特に高速道路では、車間が広いためか車線変更時に「車線変更を開始しつつウインカーを出す」や「一瞬だけウインカーを出して即車線変更」、ひどい場合には「ウインカーを出さずに車線変更する」クルマを見ることがある。
ウインカーは道路交通法で決められた正しいタイミングで出し、動作が終了したらすみやかに点滅を終了しないと非常に危険。
早すぎるタイミングでは後続するドライバーがいつ曲がるのかが理解できず、スムーズな流れを阻害してしまうし、遅すぎるタイミングでは後続車が追突する可能性もある。
また、右左折などの動作が終了しているのに長々とウインカーの点滅が継続していると、右左折の次にさらに右左折するのか? それとも停止するのか? ウインカーの消し忘れなのか? がわからず後続車は混乱する。
■ウインカーを正しく使えていない場合の違反とは?
ウインカーを出さずに車線変更、右左折やUターンすると“合図不履行違反”となる。
また、ウインカーの戻し忘れは、ウインカーを点滅させ続けて走行することで“合図制限違反”となり、合図不履行違反・合図制限違反ともに普通車では違反点数1点、反則金6000円となるので要注意!
戻し忘れは、車内において大きな音量で音楽を聴いていると起こりやすい。車種によってはウインカー作動音の「カチカチ……」の音が小さな場合もあるので、あまりに大きな音楽の音量には注意したい。
また、ほとんどの車種では、ウインカーはハンドル操作を元に戻せば自動的にキャンセルさせる仕組みになっているが、ハンドル操作の角度が浅い場合はキャンセルされないことがある。この場合は意識して手動で戻す必要がある。
■ハザードランプの正しい使い方は?
左右のウインカーを同時に点滅させるハザードランプは、正式名称を「非常点滅表示灯」という。Hazardというとおり、非常事態・危険な状況であることを周囲に伝えるものだ。
高速道路での渋滞最後尾についたクルマが点滅させる、最近では急ブレーキをかけると同時にハザードランプが点滅するクルマもあるが、これはともに「この先が危険な状況である」ことを伝えるもの。特に渋滞最後尾のハザード点滅は事故防止のために警察も推奨している。
ただし道路交通法では、夜間に道幅5.5m以上の道路に停車や駐車をする場合に点滅させること、通園・通学バスが停車して幼児・小学生が乗降している停車中に点滅させることの2つのシーンでの使用のみが義務づけられている。
つまり、高速道路での最後尾での使用、駐車するためなどの後退時での使用(リバースハザード)、道を譲ってもらった相手への使用(サンキューハザード)などは道路交通法では義務付けられていないため、使用しなかったとしても違反にはならないし、「道を譲ったのにサンキューハザードくらい出せ!」や「バックするならリバースハザードを!」などと思ってイライラしても仕方ない。
そもそも道路交通法で決められた正しい使い方ではないうえ、相手が免許取りたてで「“慣習”を知らない」場合だってあるだろう。
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